掲載:2011年11月 / 文責:クリティカル・ケア部
本年10月15日 東京大学山上会館にて、「第4回蛍光Navigation Surgery研究会」が開催されました。弊社は共催企業として浜松ホトニクス株式会社と共に、今回のセミナーのお手伝いをさせて頂きました。北は北海道から南は沖縄まで遠方からも足を運んで頂き、会場には約90名の先生方にご参加いただきました。
ICG蛍光法とは、主に肝機能検査、循環機能検査、眼底造影用の試薬として用いられているICG(インドシアニングリーン)の強い蛍光を利用した方法で、既に20年前から臨床使用されております。 蛍光Navigation Surgery研究会は、ICG蛍光法の有用性・安全性を検証し、安全な施行を啓発し、知識の交流を深めることを目的に、京都大学乳腺外科教授 戸井雅和先生、釧路労災病院院長(前 昭和大学・一般消化器外科教授) 草野満夫先生、橋本クリニック院長 橋本隆先生を発起人に発足いたしました。
今回は、東京大学 肝胆膵外科・人工臓器移植外科 教授 國土典宏先生当番世話人の下、午前中は脳外科領域、形成外科領域、乳腺外科領域様々な分野で臨床応用されている蛍光法についての使用方法、臨床的工夫が報告され、質疑応答では活発な意見が飛び交っておりました。
午後の部では、特別講演、肝胆膵外科領域のシンポジウム、消化器外科領域の発表がありました。
特別講演では、東京大学大学院医学系研究科 生体情報学分野 科学技術振興機構 研究加速強化システム 浦野 泰照先生をお招きし、肉眼で識別困難な微小がん光らせる等で注目されている、「蛍光プローブ」について基礎から最近の研究成果について御講演いただきました。今まで困難とされていた論理的に分子を設計することが可能となり、選択的にターゲットを光らせること可能となり、蛍光Navigation 技術の無限の可能性を改めて感じました。
シンポジウムでは、当番世話人 國土教授のご専門の領域であり、最近使用報告が増えてきている肝胆膵領域のICG蛍光法について浜松医科大学 稲葉先生、新潟市民病院 大谷先生、和歌山医科大学 速水先生、東京大学 河口先生、獨協大学越谷病院 多賀谷先生、関西医科大学 海堀先生に御講演頂きました。
微小な肝細胞癌や転移性肝癌の検出、肝区域の同定、胆管造影、胆汁瘻の確認と様々な目的でのICG蛍光法が報告され、発表後には利点や問題点等熱い討論がおこなわれておりました。
様々な領域での発表をお伺いする中で、ICG蛍光法は、「脈管のロードマップ」を簡便に確認することができ、まさに「Navigation Surgery」という言葉が打ってつけであると、改めて実感いたしました。
最後に、ご多忙中にも関わらず、座長の労、講演の労をお取りいただきました先生方、長時間ご聴講頂きましたご来場の皆様に、この場をお借りして、改めて深く御礼申し上げます。 なお、第5回研究会は京都大学肝胆膵・移植外科 上本伸二先生を当番世話人として来年10月20日に、京都で行われる予定です。詳細が決まり次第、ご案内させて頂きます。
なお、今回のセミナー抄録集を希望される方は下記ホームページのフォームにご記入ください。その際に「ご用件」欄に「第4回蛍光ナビゲーションサージェリー研究会抄録希望」とご記入の上、送信ボタンを押してください。
後日、送付又は営業から持参させて頂きます。
文責: クリティカル・ケア部
(2011年11月更新)
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