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第37回日本呼吸療法医学会学術集会 ランチョンセミナーのご報告

2015年7月17日、18日の二日間、国立京都国際会館にて【やすらかな呼吸を求めて】をテーマに第37回日本呼吸療法医学会学術集会が開催されました(会長:京都府立医科大学付属病院 集中治療部 橋本悟 先生)。学術集会には例年通り多くのドクター、医療関係者が参加され、活発な議論が行われていました。

 

学会初日、7月17日に【食道内圧測定はどのような患者に用いるか?】とのテーマのもと、ランチョンセミナーを共催させて頂きました。


ランチョンセミナー LS-6

日付:   2015年7月17日(金)
会場:   国立京都国際会議場 第7会場 1階 Room D
題名:   「食道内圧測定はどのような患者に用いるか?」 
座長:  

氏家良人 先生

(川崎医科大学 救急総合診療医学講座 教授)

演者:  

竹内宗之 先生

(地方独立行政法人 大阪府立病院機構
 大阪府立母子保健総合医療センター 集中治療科 主任部長)

 

セミナー前半では食道内圧の基礎的な概念を呼吸生理学の観点から解説されました。
肺のふくらみ具合は気道内圧によって規定されるのではなく、肺の内側と外側の圧差である経肺圧を用いて評価する必要性があること、プロのトランペット奏者の気道内圧が200cmH2Oを超えるにもかかわらず、肺が過膨張しない原理について説明されました。
また、胸腔内圧と食道内圧の変化は等しいが、胸腔内圧の絶対値は背側の方が高く、さらに肺重量が重い程その差は大きくなると言った注意点についても言及されました。

 

後半では、実際にどのような患者様に食道内圧測定が有用なのか、3つのパートに分けて解説されました。

1.より快適な人工呼吸設定

食道内圧は胸腔内の圧力変化の代用としてモニタリングできる点から、?ミストリガ―、?Auto triggerの発見、?Auto PEEP、カウンターPEEPの測定とPEEP変更による変化の測定が可能になり、人工呼吸の設定に役立つ。

 

2.呼吸仕事量の測定と利用

発呼吸吸気相の食道内圧変化はPressure Time Product(PTP)によって表され、呼吸仕事量の評価に使用できる。先生は上気道狭窄の患者様に鼻CPAPを使用した際の呼吸負荷をΔPesから評価されているとの事でした。

 

3.ARDSへの応用

喘ぎ呼吸のような自発呼吸による最高経肺圧の上昇は、肺へのストレスを増加させる可能性があり、経肺圧のモニタリングは非常に重要。また、経肺圧の安全域についてのエビデンスは確立されていませんが、竹内先生は仮説としてStrain(FRCに対してどれだけ肺が広がったのかを表す指標)をdynamic strainとstatic strainに分けて解説されました。
また、先生がご経験された症例では、ECMO対象患者様に対し、人工呼吸器の設定を経肺圧を利用したPEEPの設定と共に最高経肺圧を25cmH2O以下とすることでECMOを回避できた症例報告も含まれ、大変興味深いセミナーとなりました。

 

この場をお借りして、当ランチョンセミナーの開催にあたり座長の氏家先生、ご講演いただきました竹内先生に改めて深謝申し上げます。

 

なお、第38回日本呼吸療法医学会学術集会は2016年7月16日(土)、17日(日)、愛知県:名古屋国際会議場にて、西田修 先生(藤田保健衛生大学医学部麻酔・侵襲制御医学講座)を会長として開催される予定です。

 

 

文責: レスピラトリ・ケア部 村上

2015年8月

 

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