空に舞うワイヤレス高機能患者シミュレータ iStan

高機能患者シミュレータiStan 翼を持つ
軍用機中で飛行中に使われる前に、機器はまず軍の厳格なAir Worthiness certification processという認証を取得しなければなりません。
2008年5月、ワイヤレス高機能患者シミュレータiStan(以後、iStan)はこのオフィシャルな認証を受けるためのテストを、アラバマ州にある米陸軍Aeromedical Research Laboratory(SAARL)で受けました。JUH60 Backhawk、UH1 Fixed Wind、Turbo Prop aircraftといった戦闘ヘリコプターで様々なテストを受けましたが、テストの一部を紹介すると、振動や18,000フィート(5486m)の厳しさに耐えられるか、7000フィート(2133m)でのフライトテスト、暗視ゴーグルを着用しての操作、高温及び低温での操作、そしてとりわけ爆発しないかといったことが含まれています。
iStanはこれらのチャレンジを無事クリア。予想を上回る反応を見せました。9月に入り、陸軍のResearch, Development and Engineering Command(RDECOM)及び海軍のNAVAIR divisionで、「AWR」と「AMC」の認証を取得しました。
この認証はシミュレーションを使う全てのユーザーにとって、軍関係者だけでなく医療面でも良いニュースとなりました。
■Shock Trauma Air Rescue Society(STARS)ディレクター: Mike Lamacchiaさん
「Air Medical Communityの観点では、トレーニング及び認証という面でiStanが我々に特有の環境での教育をサポートするためにmedical flight transportの認証を受けたことに興奮しています」
軍事訓練
軍は、以前よりもはるかに早い技術革新に直面しています。軍の予算やプログラムは、必ずしも技術革新を利用できているとは言えません。医学のシミュレーション技術も例外ではありません。
軍は、プログラムに新技術を取り込むため、「DACP」というテストを導入しています。このテストは、軍事的環境においてシステムやテクノロジーの有効性や準備が整っていることを評価するものです。
2008年5月、iStanはDACPテストの第一フェーズを、陸軍RDECOMのシミュレーション訓練センターで評価を受けました。9月に始まるテストは、ノースカロライナ州Fort Bragg、キャンプKeJeune、カリフォルニア州キャンプPendleton、テキサス州キャンプBullis、ワシントン州キャンプFort Lewisを含む様々な軍のベースキャンプで数カ月に渡って行われます。
このテストは、臨床的な正確性、解剖学的なリアルさ、可搬性、頑丈さ、インストラクターや学生への有効性、教育的な有効性などを含め多くの分野で、戦場という環境へのiStanの対応性が評価されます。
「軍のトレーニングでiStanが使われるためには、課題の訓練ができることが必要条件であると共に、機器の不良による訓練への悪影響を避けるため信頼性がなければなりません。
■Lead S&T Manager Medical Simulation Technologies RDECOM:Jack Norfleetさん
「このテストの結果、iStanは軍の訓練、及びそのパフォーマンスについての必要要件に適合するでしょう。」
空中搬送性テスト
2008年8月、iStanは、非営利ヘルスケア団体「WakeMed Health&Hospital」ノースカロライナ州Raleigh支部で「EC135」ヘリコプターに載せられました。iStanが空中搬送下、教育的観点からどのように有効かが検討されました。 このヘリコプターの場合、パイロットを除き、患者さんを1人、ヘルスケアプロバイダを2人しか収容できません。そのため状況は、非常にリアルであるとともに、シミュレータを使うトレーニングとしては非常に厳しいものでした。 可搬性という極めて現実的なテストにiStanは、完全に適合しました。 このテストによって、何が旨く機能し、何が機能しないかを、またフライト中に行われるリアルタイムな教育環境下で成功するために何が必要かを確認することができました。
■WakeMed Health&HospitalsメディカルシミュレーションセンターMS, NREMT-P, Manager
:Amar Patelさん
「航空機の限られた機内スペースでのトレーニングプログラムは、我々の航空搬送クルーにとって、どのエアウェイ用具が最も有効であるかを確認するために、我々は高機能患者シミュレータを使いました。
このため、我々はワイヤレスで制御されるシミュレータが必要で、そのシミュレータにはユニークなエアウェイがあり、気管挿管をしている際にリアルタイムな生理学データを提供してくれる能力のあることが必要でした。500フィート(152m)上空でiStanは素晴らしい反応を見せました。我々は本当の患者さんで遭遇するように、さまざまなエアウェイマネジメント用具を使用することや、リアルタイムでの薬剤投与が可能でした。我々は本当に多くの情報を得ることができました。またこれ以来、航空機内でのエアウェイマネジメントを修正しています」
緊急避難プロジェクト
非営利ヘルスケア団体「WakeMed Health&Hospitals」は、災害や緊急時に医療機関からの緊急避難、推奨手順を作成するためシミュレーションの研究を行っています。このシミュレーションに患者シミュレータを参加させる必要が出た時には、iStanがそのための患者シミュレータであると考えています。現在、実際の救急事態に対する国や州の法的規制はありません。さまざまな条件下で患者さんを病院の建物から安全に緊急避難させるか、患者さんのどのような条件が避難によって多かれ少なかれ悪影響を受けるかについて、この研究で調べています。

■Patelさん
「iStanは本当の患者さんが移動する際の生理学テータをリアルタイムで得ることができます。
(シミュレータではない)本当の患者さんの情報をコンピュータシステムに転送する能力、患者さんの生死を決められる能力、時間が貴重な場合に非常に重篤な患者さんを避難させる最良の方法について、ヘルスケアプロバイダをトレーニングするiStanの教育プログラム作成能力は、非常に重要です」
現在、WakeMedはこのプロジェクトから得られたデータに基づいて、緊急避難のための教育プログラムを作成中です。






