『 日本初!兵庫県と県立がんセンターによる新たな試み ~兵庫県立病院12施設のシミュレーションセンター』
聞き手( IMI )
兵庫県立がんセンター・麻酔センターでは、ユニークな試みをなされているとお聞きしています。
麻酔センターの設立の経緯、目的をお聞かせ頂けますでしょうか。
尾原先生
現在、兵庫県立病院は12施設あります。これら県立病院の研修医のシミュレーション教育を一括して行うのが、当シミュレーションセンターの基本的な位置付けです。 麻酔センターの設立の経緯ですが、ご存じのように自治体病院は医者不足です。医者が次々辞め、世間では医療崩壊だなんて言われています。不足している医者は、主に産科医、小児科医、麻酔科医です。兵庫の県立病院もご多分にもれず、麻酔科医が不足しています。麻酔科医がいないと手術ができず患者さんを長く待たせてしまいます。
また、病院経営上いろいろな支障も出はじめています。なんとか県立病院で麻酔科医を集めたい、ということが麻酔センター設立の最初の動機でした。 従来、自治体病院は大学に人材派遣を頼っていたのですが、研修医制度(※)が始まってから大学にも人がいなくなってきて、中々、各自治体病院に人を派遣できない状況が続いています。 自治体病院は、各病院で研修医を募集、教育、育成していかなくてはならない時代になりました。兵庫県は県立病院を魅力ある病院にするために教育、研修制度の充実が必要で、それにはシミュレータを備えたシミュレーション教育というものが大事だということが判ってきました。昨年、兵庫県から私に話があり、そのための共同施設の立上げを依頼されました。
私もシミュレーション教育については、非常に興味がありましたし、欧米の教育事情もよく知っていました。特にアメリカ、カナダ、ドイツを含め欧米では、シミュレーション教育が非常に盛んです。日本でも、大学を卒業して間もないお医者さんが、患者さんに触れる事には問題があり、患者さん自身にも納得していただけない。 この問題を解決するためにシミュレータを使用し、基礎的トレーニングをきちんと積んでから臨床に進んでもらう、というのが最適な教育方法ではないかと考え、県の要請に応じました。
※医師卒後臨床研修制度 (厚生労働省より)






