スキル・ラボの設置や運営方法 医療法人鉄蕉会 亀田総合病院 江口先生インタビュー
聞き手
その中で、CSSセンターを実現できた理由はなんでしょうか?
江口先生:
やはり当院の経営者が教育へのしっかりとしたビジョンを持っているという事でしょうね。医師、看護師、コワーカーにしかるべき教育をし、医療ミスをなくしていこう、というしっかりとしたビジョンです。それが先進的な取り組みへとつながっているのでしょう。
聞き手
大学の医療教育の場ではスキル・ラボの設置や運営方法について意見交換が行われています。運営方法についてCSSセンターのポイントを教えて頂けますでしょうか。
江口先生:
まず場所の問題があります。皆が利用しやすいような場所が必要ですね。医療現場は忙しく、限られたわずかな時間を利用しておこなうわけですからCSSセンターは何時も利用できるよう24時間開放しております。
“CSS” のSkill(スキル)とSimulation(シミュレーション)ですが、この2つは別物であり両立できなければ意味がありません。スキルアップは一人でもできますが、シミュレーションというのは、知識を持ったインストラクターやトレーナーがいて複数でおこわなければなりません。
しかしここでの最大のポイントは、インストラクターの存在です。必ずインストラクターが必要ということです。
もし、いなければそのインストラクターを育てるという考えが重要です。CSSセンターがオープンする前からこの事は感じていました。高額な備品、設備を揃えても“どういう人がそこに関与しているか”という事が重要なのです。ハードが設備とするなら、ソフトが“人”です。そのソフトの部分が確立していなければ、宝の持ち腐れになってしまうわけです。環境を整え維持するためにも専任スタッフの存在が必要なのです。高機能シミュレータを使って教育をおこなおうとすれば、インストラクターはシミュレータの内容をしっかり把握できなければなりません。シミュレーションする内容によってシナリオを作成し“いかに有意義な講習を行うべきか”考えをしっかり整理しておく必要があります。そこには、プログラムソフトが必要なわけで、作成、準備、取り扱いまでマスターしておかなければシミュレーション教育はできません。ただ単にインストラクターという肩書があっても、意味がないわけです。
聞き手
高機能患者シミュレータ「ECS」を導入いただきましたが、決定された理由をお教えて頂けますでしょうか?
江口先生:
インスラクターがおこなうシミュレーション教育のためのシナリオ作成、講習の場面を思い浮かべて下さい。訓練用マネキンを使用したとして「これは面倒だ!止めた!」となったのでは、シミュレーション教育はできません。
私はシナリオが作り易いシミュレータとはどのようなものか考えました。その結果として高機能患者シミュレータ「ECS」を選びました。
アイ・エム・アイの「ECS」は、シナリオを作成する際、ある病態を想定したならば、いくつかの項目を入力するだけで、生理学・薬理学モデルに基づき関連するデータも自動的に変化しますので、シナリオ作りがより簡単なわけです。つまりインストラクターに負荷がかからない。すなわちインストラクター本来の活動がしやすくなるわけです。
それが「ECS」を選んだ、はっきりとした理由です。
全ての要素がひとつになって初めてCSSセンター内でトレーニングがおこなわれるのです。ひとつでも欠けたら、特にソフト的なマンパワー、インストラクターが欠けてしまっては意味がなくなります。現在、当院の数名の医師にインストラクターをお願いし、講習を継続的に実現していくべく努力しています。






