CSSセンターを院外にも 亀田総合病院 江口先生インタビュー
聞き手
各科にインストラクター的な存在がおいでになり、「ECS」を幅広くご活用いただいておりますが、これは江口先生のご尽力の成果ではないでしょうか?
江口先生:
私は関係各所に依頼したり、まとめたりという事をおこなっているだけです。実際にインストラクターを引き受けてくれるスタッフは、シミュレーション教育に多くの関心を持っています。能力を持っているがゆえに、それを使って若い医師やコメディカルを育てようという意思があります。幅広い領域のインストラクターがいて、幅広く教育をおこなっていけるというわけです。それがECSの幅広い活用になっていると思います。また、ECSはACLSトレーニングのみならず、幅広いシミュレーションが可能だということです。
当院に、すでにそのような人材が集まってきていたという事実はあると思います。インストラクターの中には、医師だけでなく、看護師、理学療法士、ME技士だっていますしね。理学療法士、看護師、ME技士たちはわれわれが何十年もかけておこなってきた医療行為の中で、インストラクターになりうるだけの技量をもって成長してくれました。その結果、それぞれの部署にインストラクターとして分散し、CSSセンターを利用してスキルアップさせるため「さあ、やろう」と動いてくれている。とても良い事です。
地域医療については、院内だけでできるわけではありませんので、在宅医療や訪問看護部門ともチームを組んでおこなっていますし、おこなっていくべきだと思います。CSSセンターは院外にもオープンにしています。
現状では講習は、主として院内のスタッフを対象におこなっておりますが、ゆくゆくは地域を対象に、将来的には全国的にアナウンスしておこなっていこうと考えています。
聞き手
最近、医療従事者の人材不足が話題になっていますが、江口先生は、どのようにお感じになられますか?
江口先生:
病院の理念に賛同して医師は集まってきていますので、いわゆる医師不足は感じていません。ただ、看護師は不足しています。人材不足という言い方をすれば看護師の人数がもっと必要と感じています。
聞き手
看護師の人材不足に対して、CSSセンターは効果を発揮するでしょうか?
江口先生:
看護師の人材確保のためにも、CSSセンターをPRしています。
特に女性であれば、結婚・出産・子育てなどで暫く休職し、子育ても一段落し仕事復帰を考えますが「自信がない」ということで看護師の仕事に復帰しない。実にもったいないですよね。ですからトレーニングを受けて、また現場に復帰できるようCSSセンターを利用して欲しいのです。新人看護師にしてもそうです。
やはり新人の看護師は、最初の1年、2年は、採血するにも、患者さんの所見をとるにしても本当にビクビクしながら仕事しています。自信のない態度で医療行為をおこなうのではなく、自信を持って現場で働けるようにしたいわけです。それは、スタッフのため、本人のためでもあるし、一番は患者さんのためなのです。
トレーニング設備を整えることで新人看護師にもっともっと来てもらおうと思っています。看護部長から、CSSセンターで訓練してから現場にでてくる新人看護師は、CSSセンターを体験せずに現場に向かった以前の看護師に比べると、活き活きとしていると報告がありました。CSSセンターの効果の一部がうかがえます。
地域医療従事者への医療教育を開放されているとお聞きしました。 回数は少ないですが安房地区の医師、介護士、救急隊の方々に対しておこなっています。院外に対する講習はこれからもおこなっていきます。規模的なものもあるので容易ではありませんが、近隣の病院にも声をかけておこなっていくつもりです。
聞き手
最後に、江口恒良先生のモットーをお聞かせ下さい。
江口先生:
われわれ医療人というのは、患者さんの病気を治すということのためには、何事もいとわないという強い意志が必要だと思います。あるいは、患者さんに対する優しい気持ちですよね。患者さんはモノではないわけですからね。優しさを医療人が持ち合わせなかったら、心ある医療はできないと思います。医療人というのは、医療人と言う前に、良い人間でなければならないわけです。
江口先生 1時間に及ぶインタビューに貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
(2008年1月29日 亀田総合病院 CSSセンターにて)






