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『薬学部の新しい臨床教育』

薬剤師の臨床教育に高機能患者シミュレータ

鈴鹿医療科学大学薬学部で、高機能患者シミュレータECSを採用して頂いていますが、なぜ高機能患者シミュレータを導入されたのでしょうか?

 

大井先生

医学部には患者さんはいますが、多くの薬学部には患者さんがいないのです。臨床スキルを教えるのに、患者さん不在の教育で良いというわけにはいきません。
高機能患者シミュレータを導入したきっかけは、6 年制になって早期体験学習がスタートしたことです。
私が体験学習を担当する事になり、学生らを病院に連れて行きました。すると、数人は患者さんを見て、ショックを受け気分が悪くなったりするわけです。病院には重篤な患者さん、事故で救急に運ばれた患者さん、死期が迫り痩せ細った患者さんなどがいます。普段学生が接した事がない患者さんと接する事になるのです。患者さんといえば、「風邪や盲腸」といったイメージを持った学生が、真の臨床現場を見たことにより現実と認識のギャップにショックを受けてしまうわけです。
このようなギャップを少しでも埋めるためには、疑似体験であれ経験というものが必要になります。そう考えた時に高機能患者シミュレータがひとつの重要なツールになるのではないかと考えたのです。

 

高機能患者シミュレータを知ったきっかけを教えて頂けますでしょうか。

 

大井先生

九州福祉保健大学が現代GP注)で採択されたという記事を見て、高村教授注)にコンタクトさせて頂き、ベッドサイド実習室を見学に行きました。そこで高機能患者シミュレータを知りました。初めて見てみますと、これ(高機能患者シミュレータ)が薬学教育にも普及したらスゴイな、と思いました。
高機能患者シミュレータでは、薬剤の投与ができて、その後、バイタルサインが変化する様子を疑似体験できます。これが大事なのです。そういった知識は、フィジカル・アセスメントを行う看護師さんは体験を通して知ることができます。患者さんと接することが少ない薬剤師の場合、薬の種類と適切な投与量、及び、それらが人体に与える影響についてよく理解することが大切なのです。患者さんの様子やバイタルサインから薬の副作用の前兆を発見できるまでの教育が出来ればと考えています。このあたりも今後のシミュレーション教育に反映させていきたいと考えています。

 

実際に授業で使用されてみて、学生さんの反応は如何でしょうか。

 

大井先生

面白いと言います。教育効果の測定は、データを取り始めたばかりなのですが、従来の講義だけの教育より良い結果になると思っています。それよりも何より、学生に病んだ患者さんについて、講義で語り/理解させ/実感させる事は容易ではありません。
しかし、高機能患者シミュレータを使いますと学生のモチベーションは、必ず上がります。
「最近の学生は・・・」と感じている教員の方がいれば、使用してみては如何でしょうか。

 

注)現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)

http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/needs.htm

注)薬学部薬学科

 

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