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デューク大学 ICU人工呼吸器プロトコール Ⅳ 目標/Ⅴ 成人に対する人工呼吸のプロトコール(1)

成人に対する人工呼吸のプロトコール

Ⅳ 目標

    本プロトコールは以下の全てを含む
  1. 患者の動脈血pHを7.30~7.45に維持する
  2. 患者のPaO2を55~80mmHgに維持する
  3. 患者のSpO2を88~95%に維持する
  4. 吸気プラトー圧を30cmH2O以上にしない

 

Ⅴ 成人に対する人工呼吸のプロトコール(1)

A. 全人工呼吸サポート―全人工呼吸サポートは、人工呼吸器から完全に補助を受けることによって、患者の状態を安定させることが望ましい場合に使用開始される

1.全人工呼吸サポートの導入―患者が以下の状況のうち、どれか一つにでも当てはまった場合、完全な人工呼吸管理を導入する

a) 呼吸性アシドーシスを伴う高炭酸ガス血症
b) 以下の設定を要するような重度の低酸素血症
PaO2/FiO2<200

PEEP>10
FiO2>0.6
c) 完全な人工呼吸補助がなければ現状を保持できない場合(「追加1 耐久性(tolereance)の基準」を参照)
d) 無呼吸、呼吸緩慢、呼吸ドライブが働かない場合

2. 全人工呼吸サポートのプロトコール

a) モード選択:人工呼吸器のモードの初期設定はボリュームコントロールA/C、もしくはプレッシャーコントロールA/Cを選択する
ボリュームコントロールA/Cは設定1回換気量の供給が担保され、分時換気量も呼吸回数に応じて確保される
プレッシャーコントロールA/Cは陽圧換気中に患者の気道へ加えられる吸気圧を制限する換気モードである。また、フロー波形が漸減波になっているのでガス混合が改善されると同時に、換気補助をトリガーできる(自発呼吸のある)患者に対しては同調性をよくすることができる。
b) 1回換気量の設定:1回換気量の初期設定は患者のIdeal Body Weight(IBW)に対して5~7ml/kgとなるようにする。IBWの算出方法は以下の通りである:
IBW(男性)=50+2.3(身長※÷2.54-60)
IBW(女性)=45.5+2.3(身長※÷2.54-60)
※身長はセンチメートルで計算する
1回換気量は、動脈血pHの目標値を達成するか、患者の不快感を解消するために10ml/kgまで調整することができる。ただし、吸気プラトー圧の制限は越えないようにする(「Ⅳ 目標 D」を参照)
c) 呼吸回数(f)の設定:呼吸回数の初期設定は10~30回/分とし、目標とする動脈血pHを達成するように調整する(「Ⅳ 目標 A」を参照)。換気回数は可能な限り、エアートラップを回避できる回数とする。
d) FiO2とPEEPの組み合わせが、ターゲットとする範囲で(「Ⅳ 目標 B,C」を参照)酸素化の目標達成のために使われる。FiO2とPEEPの調節はFiO2/PEEP対照表(「追加2」を参照)に記載されている段階で調節する。(人工呼吸サポート開始から2時間は前述のターゲットにおけるPEEPの設定をせずにFiO2設定が0.5を超えることもある。)
【成人の骨髄移植の患者に対しては「追加4」を参照する】
e) ボリュームコントロールA/Cが選択されている場合には、吸気流量は患者が最も快適と感ずるレベルに設定する、エアートラップを回避/最小化する、またIE比を1:1以下に設定するよう留意する。
f) プレッシャーコントロールA/Cが選択されている場合には、吸気時間を患者の最も快適なレベルに設定する、エアートラップを回避/最小化する、またIE比を1:1以下に設定するよう留意する。
g) IE比を1:1以上に設定する場合には医師の処方箋が必要である。

 

 

 

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