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人工呼吸の開始から初期設定まで

A 臨床的な目標
 

1. 特別に指示がなければ、従来の人工呼吸のプロトコールによる臨床的な目標は以下の通りである。

  a) ピーク圧(PIP)≦30cmH2Oを維持する
  I) 機械換気による1回換気量のターゲットを5~8ml/kgになるように維持する。
  II) 補助換気による1回換気量のターゲットを4~6ml/kgになるように維持する。
  b) 動脈血pHを7.25~7.45になるように維持する。
  I) ETCO2を35~55mmHgになるように維持する
  c) 患者のSpO2≧92%になるように維持する。
  d) 重篤な頭部外傷のある患者に対しては以下のようにする。
  I) PaCO2を33~37mmHgの間で保つようにする
  II) PaCO2>100mmHg、SpO2≧93%となるように維持する
B 機器の準備
  1. 診療部の方針に則り人工呼吸器をセットアップし、始業前点検をする
  2. 人工呼吸器の初期設定をする(Ⅷ Dを参照)
  3. 非侵襲的モニタリングを開始する
  a) パルスオキシメータ - SpO2モニタリング
  b) カプノグラフ – ETCO2モニタリング
C 人工呼吸器の初期設定
  1. 換気モード
  a) プレッシャーサポート付の間欠的強制換気(SIMV)(VC/PS、PC/PS)。
  I) ボリューム/プレッシャーコントロール換気
  ・ ボリュームコントロール換気(VC)-1回換気量を予め設定する。
  ・ プレッシャーコントロール換気(PC)-吸気圧を予め設定する。
  II) タイムサイクル
  III) フロートリガ
  b) PRVC、PRVC/PS
  c) PSV(プレッシャーサポート)
  2. 1回換気量(Vt)
  a) 導入時には特別な指示が無い限り、強制換気の1回換気量は(気管チューブでの)
     モニタ値で5~8ml/kgになるように設定する。
  3. ピーク圧
  a) ピーク圧≦30cmH2Oになるように維持する。
  I) ピーク圧が30cmH2Oを越えた場合
  ・ 気道が開存していることを確認し、ピーク圧を再評価する
  ・ 吸気フロー、もしくは吸気時間を調整してピーク圧を減少させる
  ・ 上記の処置を行っても依然として30cmH2O以上となる場合、フローパターンを漸減波にして
プレッシャーリミット換気に変更する。
  ・ HFOVの施行を考慮する。
  II) 高圧アラームはピーク圧モニタ値よりも10cmH2O高い圧に設定する。
  4. 換気回数(f)
  a) 呼吸数は患者の年齢と生理学的なパラメータに基づいて設定する。
  5. PEEPとFiO2
  a) PEEPは4~7cmH2Oに設定する。
  I) PEEPの設定はグラフィック(気道内圧波形/ループ)を用いて設定する。
  b) FiO2は患者がALIに陥った場合には1.00に設定する(患者の状態と矛盾する場合や
  他の指示がなされている場合は除く)
  c) ALIがない場合は0.40~0.60に設定する(患者の状態と矛盾する場合は除く)
  6. プレッシャーサポート(PS)
 

a) プレッシャーサポートは10cmH2Oに設定する。

  I) 自発呼吸の1回換気量は、適切なフローとトリガを設定した上で4~6ml/kgになるように調整する。

 

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