TOP  > 体温療法UpToDate  > 詳細

アークティックサンに関するQ&A集(後編)

【PATIENT MANAGEMENT 患者管理】
患者管理

 

質問 患者さんが褥創予防用ベッドに乗っている場合は?

答え ArcticSunはあらゆるベッドに対応できます。熱伝導パッドは傷のない部位に装着してください。

 

質問 ターゲット体温を34℃に設定しており、現在の患者体温は33.6℃です。何をすべきですか?
答え オートモードで使用を続けてください。1時間毎に水温と患者体温を記録するようにしてください。ArcticSunは患者体温をモニタリングしながら、自動的に水温を調整し、適切に設定温度に到達するようにコントロールされます。
いくつかの要因がオーバーシュートを引き起こします。それらの要因には、鎮静開始の遅れ、鎮静度合いの変化、血管作動薬の投与、血行動態の変化が含まれます。 

 

質問 ArcticSunを昇圧剤と併用するに当たり知っておくべきことはなんでしょうか?

答え 低体温療法と昇圧剤は両方とも血管収縮を引き起こし、末梢血流が低下するので治療と投与を同時に行うことは慎重にすべきです。皮膚の血管収縮は、低体温中または皮膚が冷やされる時に手と足での動静脈シャントによって起こります。しかし、この血流は毛細血管の血流とは別ですので、皮膚潅流は中断されるべきではありません。
複数の昇圧剤を投与した場合、不釣合いな皮膚の血管収縮が起こり、さらにそのために可逆的な着色斑点形成及び紅斑が起こることがあります。

質問 水温が低くなった場合、患者さんは凍傷を起こすことはありませんか?

答え 1時間毎に水温をチェックしてください。 患者さんが4時間経ってもターゲット体温に到達しない、または水温が8時間以上にわたって10℃以下の場合は患者さんが冷たい水温に曝される時間を最小限にするため、取扱説明書の「5.3.トラブルシューティング」を参照し、適切な処置をとってください。ArcticSunでは凍結は起こりませんが、最低水温は4℃にまで下がります。
皮膚が低温に曝された場合は、血管収縮が起こります。ただし、微小循環や毛細血管への血流は止まりません。 

 

質問 水温が10℃以下にとどまる原因は?

答え 患者さんに視床下部障害がある場合は、別のセットポイント(37℃以外)まで患者体温を上昇させるために発熱が起こります。これに対し、ArcticSunではターゲット体温に到達しようとするために水温が自動調節されます。 障害が強い場合は、水温が長期間にわたり10℃以下に保たれることがあります。 シバリングは代謝を増大し、熱を発生させます。シバリングが長引いた場合は、水温は長い間、低いままとなることがあります。感染がある場合、患者さんは発熱し、ArcticSunの水温は低くなります。

 

質問 ArcticSunによる治療がspike(体温の一時的上昇)をマスキングしている場合、患者さんが感染による発熱をしていることをどのようにしたら発見できるのでしょうか?いつ感染の検査をすべきなのでしょうか?

答え 治療がうまくいった場合は、患者体温は体温制御中立域(thermo neutral zone)内に収まります。 ArcticSunの水温が低下する場合は、患者さんが発熱していることを示しています。   
1時間毎に患者体温を記録する際に、同時に水温も記録してください。記録時に水温が低い場合は、患者さんは発熱しています。 水温が低いということは、患者さんを冷やすためにArcticSunが活発に作動していることを示しています。検査結果を含め、感染のリスク及びその兆候について評価してください。感染が疑われる場合は、感染の検査してください。

 

質問 ターゲット体温32℃を使用する適切な場合は?

答え 患者さんを32℃に冷やすことを希望する場合は、バージョン4.0のソフトウェアを組み込んでいるArcticSunであれば、32~38.5℃のレンジで体温をコントロールできます。
この場合、「ショウサイセッテイ」で「セイギョセンリャク3」に設定する必要があります。 詳しくはIMIのサービスマンにお問い合わせください。その際は、温度のオーバーシュートを減少させるため、食道温プローブを使用してください。


【SIVERING シバリング】 

シバリング

 

質問 私が受け持っている患者さんはシバリングを起こすでしょうか?

答え 生理学的に冷やされ、シバリングを起こす閾値を超えた場合は、どのような治療が行われているかに関わらず、シバリングが起こりうります。hypothalamic injury(視床下部障害)のある患者さんの場合は、シバリングを起こす閾値を含め、あらゆるset pointが上昇するため、患者さんを通常体温に戻すために冷すことも、シバリングの原因となることがあります。 低体温療法の導入期では、通常、シバリングを起こす閾値を超えてしまうため、シバリングを起こすことを予想して積極的に治療することが重要です。発熱を治療しているときに全ての患者さんがシバリングを起こす訳ではありませんが、患者さんを冷やす前にシバリングの対策をしておいてください。

 

質問 ArcticSunの水温を記録している際に水温が突然下がった場合、一時的な発熱(fever spike)とシバリングの違いはどのように説明できるのでしょうか?
答え 患者さんが熱を出している場合、看護及び医学的判断において、一時的な発熱(fever spike)とシバリングの違いを識別することが求められます。

 

― 患者さんが感染を起こしているリスクがあります。 患者さんを観察してください。感染の兆候を探し、感染があれば適切に対処してください。
― 患者さんがシバリングを起こしていないかを評価してください。患者さんが冷たい場合は、シバリングを起こす閾値まで低下する可能性があります。導入期や冷却中、シバリングはコントロールされている必要があります。シバリングを起こさない、あるいは取り除くため、以下の質問をしてください。

「シバリングをコントロールする薬剤が最後に投与されたのはいつ?」
「足に通常にはないelectromechanical activityを感じますか?」
「下顎や胸の筋肉にvassiculatingは起きていませんか?」
「ArcticSunのトレンドインジケータの▽△に変化は?」  

これらの質問に対しひとつでもYesである場合は、シバリングのコントロールに取り掛かることを検討してください。 


【ArcticSunについて】 

ArcticSunについて

 

質問 バッテリによるバックアップは?

答え バッテリによるバックアップはありません。病院の他の場所に移動する場合は、いったん電源をOFFにしてください。冷却を再開する際は、医師の処方通りの設定となっていることを確認してください。また、熱伝導パッドを外す際は、事前に水抜きをしておいてください。 電源がいったんOFFにされると、設定値は記憶されていません。 ArcticSunがいったん停止された後に、再スタートされた場合は、患者体温コントロールのためのアルゴリズムも再スタートします。そのため、水温は短時間ではありますが、ふらつくことがあります。

 

質問 本体水槽内でのバクテリアの繁殖をどのようにして抑えればよいのでしょうか?
答え 本体水槽には、抗微生物/抗真菌洗浄剤を注入してください。 注水によって洗浄剤が希釈されないようにするため、熱伝導パッドには少量の薬剤が含まれています。そのため、熱伝導パッドは患者さんに使用後は、廃棄してください。 ArcticSunを所有されている場合は、3ケ月に一度は臨床工学技士部門にて、本体水槽から廃液を行った後、滅菌水あるいは蒸留水、及び抗微生物薬/抗真菌薬の再注入を行ってください。

 

質問 本体水槽内でのバクテリアの繁殖をどのようにして抑えればよいのでしょうか?
答え 注水チューブは、注水サイクル後、自動的に排水されます。

 

質問  治療の終え方は?
答え 熱伝導パッドから水を排水してください。熱伝導パッドを丁寧に患者さんの皮膚から剥がしてください。
使用した熱伝導パッドは廃棄してください。その際、病院の廃棄基準に従ってください。病院で認められている薬剤で、液注水ラインとArcticSun本体を清拭してください。


【参考文献】 

 

1 Letter from Smiths Medical ASD, Inc 12/05

2 Foley Catheters with Temperature Sensors. MRI Safety, 2001.

3 Mayer, SA & Sessler, DI (Eds)(2005) Therapeutic Hypothermia. Boca Raton: Tayler & Francis Group, p.7-8.

4 Mayer, SA, Commichau, C, Scarmeas, N, Presciutti, M, Bates, J, Copeland, D. Clinical trial of an air circulating cooling blanket for fever control in critically ill neurologic patients. Neurology 56: Feb2001.

5 Mayer, SA & Sessler, DI(Eds)(2005) Therapeutic Hypothermia. Boca Raton: Tayler & Francis Group, p.68.

 

print もどす pdf
© 1997 IMI Co., Ltd.