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ヒヤリ・ハット事例から学ぶ シリーズ(2) 「ヒヤリ・ハット事例の発生傾向を知る」

ヒヤリ・ハット事例を分析、原因を探り対策をとること、つまりその背景にある、「不安全行動」や「不安全状態」を取り除くことが災害を未然に防ぐことに繋がるということを、第1回「ヒヤリ・ハット事例とは?」で述べました。

今回は、医療事故情報収集等事業平成19年年報より、その傾向について少し触れてみたいと思います。

下表は、月別のヒヤリ・ハット事例報告件数です。確かに、4月以降増加することがわかります。

ヒヤリハット事例

ヒヤリ・ハット事例が多く発生する季節は? 

多くの方が、新人スタッフが配属される4月ごろから夏にかけて、ヒヤリ・ハット事例や医療事故事例が増加すると予想されると思います。いずれの事例報告もその通りで、4月を境に増加しています。(以下の表は、年報集計データより作成)

ヒヤッリハット2

 

ヒヤリ・ハット事例と経験年数の関係

では、当事者の職種経験年数別の、ヒヤリ・ハット事例報告件数はどうでしょうか?下表は、事例当事者における、その職種の経験年数別の報告件数です。

やはり、新人あるいは経験年数が少ないほど、ヒヤリ・ハット事例の報告が多く、経験と共に減少していることがわかります。

一方で、職種経験年数ではなく、新人もベテランも、その部署に配属されてからの経験年数ではどうでしょうか? 

ヒヤリハット事例3

やはり、その部署への配属年数が少ないほど、事例報告も多いことがわかります。職種経験年と比較するとより顕著であることもわかります。つまり、たとえベテランスタッフであっても、部署異動後は、ヒヤリ・ハット事例を発生させる危険性が高いといえます。

ヒヤリ・ハット事例を未然に防ぐ教育

新人スタッフによるヒヤリ・ハット事例、あるいは部署異動後における事例報告が多くなっていることがわかりました。
また、ヒヤリ・ハット事例報告における当事者は、全体の約7割が看護師であることから、看護師への教育が重要であることがわかります。先般の改正医療法においても、施設における計画的な教育の実施が求められているところですが、新人看護師教育はもちろんのこと、特に、部署異動時の教育については、たとえベテランスタッフでも疎かにできない、むしろ重要であることがデータからわかります。

 

また、ヒヤリ・ハット事例の発生要因として最も多いのが、「確認が不十分であった」(24.5%)、以下順に「観察が不十分であった」(12.7%)、「心理状態(慌てていた・思い込み等)」(11.1%)でした。 この三大要因で、報告されたヒヤリ・ハット事例全体の約半数を占めているのです。

 

「教育」といっても、「さて、何から始めればいいのか・・・?効果的に行うには・・・?」と考えてしまいがちですが、ヒヤリ・ハット事例を未然に防ぐためには、よく確認、観察する、慌てず落ち着いて行動する、思い込みだけでなく、今一度確認する、といった、基本的動作、行動、心がけをあらためて確実にしていく取り組みから始めてはいかがでしょうか?

 

当社では、高機能患者シミュレータを用いた看護師教育のお手伝いをさせていただいております。いざ!というとき、慌てず落ち着いて、確認、観察するトレーニングを提案させていただきます。是非、ご利用ください。

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