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ヒヤリ・ハット事例から学ぶ シリーズ(4) 「人工呼吸器に関するヒヤリ・ハット事例について」

呼吸回路ヒヤリ・ハット事例について

財)日本医療機能評価機構による医療事故情報収集等事業H19年度年報によると、人工呼吸器ヒヤリ・ハット事例報告件数170件のうち、32%にあたる54件が、呼吸回路に関する事例でした。その中の一部を以下にご紹介します。

 

  • 呼吸器の回路を交換した際、吸気と呼気が逆に接続されていた。
  • 換気量が不十分な状態に気がつき確認したところ、ウォータートラップの接続部にリークがあった。
  • 加温加湿器を使用していたが温度が上昇しないため、温度センサーとヒーターを交換したが改善しなかった。その後、呼吸回路の吸気と呼気が逆に接続されていたことが確認された。
  • ウォータートラップの水を排水した後、アラームが鳴動。別の箇所で回路が外れていた。
  • 病室から空気が漏れる音がしたため確認したところ、チューブが外れていた。  ・・・etc

 

以上からもわかるように、呼吸回路の代表的な事例は、「誤接続」、「回路外れ」です。特に誤接続については、先般、財)日本医療機能評価機構より、医療安全情報No.24「人工呼吸器の回路の接続間違い」注1)が発信されました。ここでは、報告された呼吸回路の接続間違いの状況として、以下が紹介されています。

注1:http://www2.jcqhc.or.jp/html/documents/pdf/med-safe/med-safe_24.pdf

 

  • 加湿器に吸気側の回路を接続すべきところ、呼気側の回路を接続した(2件)
  • 呼吸器の吸気口に回路を接続すべきところ、患者側の呼気排出口に接続した(1件)
  • 呼気排出口にフローセンサーを接続すべきところ、呼気排出口と回路の間に接続した(1件)
  • 加湿器に接続する回路を人工鼻に接続した(1件)

 

併せて、医療機関の取り組み例として、以下の2点が紹介されています。  

  • 人工呼吸器を使用する際、簡易取扱説明書などを用いて、回路が正しく接続されているか確認する。
  • 人工呼吸器の回路を呼気口や吸気口、加温加湿器などに接続する際、回路の口径が同じであるため、誤った接続ができること
    に 注意する。

 

以上の取り組み例のように回路の誤接続を未然に防ぐための対策が重要となります。さらには、万一誤接続の状態となっていた場合に、それを発見できること、適切な対応がとれることも重要となります。

 

弊社では以下のポイントを確実に行うことをお勧めしています。これによって、呼吸回路に関するヒヤリ・ハット事例は確実に減少させることができると考えています。

 

  • 回路図を見て、確実にセッティングを行う。
  • 使用前、使用中、使用後点検を行う。
  • 吸引やウォータートラップの除水後など、回路の接続を再確認する。
  • 警報の設定は医師の指示に従い、回路の異常を発見できる適切な設定とする。

 

人工呼吸器では、呼吸回路が正しく接続されていなかったり、回路が外れたりした場合など、それに起因して発生する状態、例えば気道内圧が上昇しない状況等を検知して警報が作動することにより発見できます。あるいは、加温加湿器であればモニタ温度が上昇しないことなどから、吸気/呼気の逆接続を発見できます。 弊社では、呼吸回路の接続や確認のポイント、使用前・使用中・使用後点検の方法、人工呼吸器や加温加湿器の警報が作動した場合の対処方法などについて、ナースセミナーなどをとおして、スタッフ教育のお手伝いをさせていただいております。詳細につきましては最寄の弊社事業所、担当者にご相談ください。また、呼吸回路図をPDFファイルでダウンロードすることも可能です。是非、回路の誤接続防止にお役立てください。  

 

【おわり】

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