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ニコレーワン(aEEG脳波計)使用経験に関して

 

苫小牧市立病院は、地域周産期母子医療センターとして、未熟児、新生児のために必要な治療・看護を行うNICUを運営しています。今回は、新生児科医長 大門祐介先生にニコレーワンモニタ(aEEG脳波計)についてお話しを伺いました。

 

苫小牧市立病院 NICU 沿革

2001年9月

地域周産期母子医療センターの認定
2002年6月 新生児特定集中治療室設置
2007年10月 新生児特定集中治療室6床認可
2014年4月 新生児科設置

苫小牧市立病院 ホームページ

http://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/hospital/

 

新生児科 医長 大門 祐介 先生 御略歴

1997年3月 川崎医科大学卒業
1997年5月 川崎医科大学小児科入局、同附属病院小児科勤務
2004年4月 岡山大学小児科入局、岡山赤十字病院小児科勤務
2007年4月 札幌医科大学小児科入局、苫小牧市立病院小児科勤務

 

 

 

インタビュー詳細はこちら

 

アイ・エム・アイ 苫小牧市立病院 NICUの役割について御紹介ください。

大門先生

当ICUは地域周産期医療センターで、医療圏としては東胆振、日高、千歳、恵庭の一部になります。

この地域の重症新生児がこちらに集まりますが、内科疾患が基本で、先天性心疾患や外科的対応が必要な外科疾患は全て札幌に搬送されます。

 

アイ・エム・アイ 大門先生の役割・お立場について御紹介ください。

大門先生

新生児科医長としてNICUを担当しています。

 

アイ・エム・アイ NICUは何名のスタッフで運営されておられますか。

大門先生

NICUに常勤しているのは、私と中村秀勝先生の2名になります。他の医師は2名から3名が小児科の病棟とNICUとを3ヶ月おき位に入れ替わります。合わせて4名から5名位で運営しています。

 

アイ・エム・アイ 看護師さんは何名くらいでしょうか。

大門先生

17~18名でシフトを組んでいます。
日勤が5~6名、夜勤が2名です。

 

アイ・エム・アイ NICUの病床数は何床でしょうか。

大門先生

6床です。

 

アイ・エム・アイ 稼働率はいかがでしょうか。

大門先生

9割5分位で、ほぼ満床です。

 

アイ・エム・アイ NICUには年間何名位の患者様が入院されますでしょうか。

大門先生

年間130~140名です。そのうち超低出生体重児(1000g未満)が7~8名位、極小児(1500g未満)が10名弱です。

 

アイ・エム・アイ 年間何名位の患者様が弊社のニコレーワンをお使いになるのでしょうか。

大門先生

年間20回位使っています。

 

アイ・エム・アイ ニコレーワンをお知りになったきっかけは何でしょうか。

大門先生

2011年鹿児島で開催された日本脳低体温療法学会で、鹿児島市立病院周産期総合医療センター新生児科部長・茨先生の発表だったと思います。もしかしたらもっと前だったかもしれませんが、一番印象に残っているのが茨先生の発表です。

 

アイ・エム・アイ その後、ニコレーワンの導入を決定される前にデモをさせていただいたと思いますが。

大門先生

そうですね。デモの後、レンタルとなりました。

 

アイ・エム・アイ 当初ニコレーワンに対してどのような印象をお持ちになりましたでしょうか。

大門先生

正直なところ、最初ほとんど何も分からないところから始まったので、分からないなりにとにかく徹底して患者様に着けました。その中である程度使用用途というかこういう形で使っていくものなのかなということが分かってきた、というのが実際の流れでした。

 

アイ・エム・アイ それ以前はニコレーワンを使うような症例の患者様にはどういった機器を使用されていましたか。

大門先生

原則はフル脳波でした。患者様を何とかして検査室に下ろして検査していました。それが無理の場合には検査室から上がって来てもらって検査をしてもらうこともありますが、NICUはちょっとノイズが多いのでノイズの影響がない環境で行ってもらうこともありました。


アイ・エム・アイ 導入の際、ニコレーワンの以外の機器をお試しになられましたでしょうか。

大門先生

ニコレーワン導入の1~2年位前に他の機器を試しましたが、インピーダンスや装着の点で導入には至りませんでした。その後、ニコレーワンを試用したところ、簡便で割とインピーダンスも直ぐ下がる、という評価からニコレーワンの導入を決定しました。

アイ・エム・アイ 先ずはレンタルで開始いただきましたが、実際スムーズに御使用いただけたのでしょうか。

大門先生

他の施設でニコレーワンを使用していた先生がいらっしゃったので、教えてもらいながらではありましたが、結構スムーズに使い始められたと思います。


アイ・エム・アイ 以前はフル脳波で検査されていたとのことですが、その時と比較してaEEGを使われるようになって変わった点、便利になった点はありましたでしょうか。

大門先生

先ず発作を拾うということがかなり優位・有利と思います。それともう一つは、最近感じるようになったのですが、鎮静深度を診ることが便利ですね。もう少し薬を追加するべきか、もう少しで抜管だから薬はこの位に抑えておくべきといったようなところです。今まではそこが盲目的でしたが、aEEGを診ることで患者様の鎮静深度がかなり分かりやすくなってきたので、正直便利に使わせてもらっています。

 

アイ・エム・アイ ニコレーワンは、どのような症例の患者様にお使いいただいているのでしょうか。

大門先生

特別この症例で使うということを決めてはいませんが、少なくとも当然重症新生児仮死の患者様には使います。機械があれば寝かせる子、鎮静薬を使う子にも必ず使います。あとは機械が空いていれば殆ど使うようにしています。重症仮死と鎮静という優先順位はありますが、そういう患者様ばかり入院されるわけではないので、機械が空いているときがあれば、患者様に負担がかからない非浸襲性なのでなるべく付けて診るということにしています。それは自分の勉強の分も含まれていますけど。


アイ・エム・アイ ニコレーワンを用いた主な用途ですが、aEEGで患者様を診断するということでしょうか。

大門先生

今は当然発作波の診断をしていますが、脳低温を導入するかしないのかの一つの指標にもしています。急性期の鎮静深度、脳低温に行くか行かないかの一つの指標、というところが今は私の中では重要視しているところです。 

 

アイ・エム・アイ 実際装着すると、通常24時間、48時間、72時間、患者様によってはずっとNICUにいる限り着けているというパターンがあると思いますが、実際その基準・クライテリアはありますでしょうか。

大門先生

重症新生児仮死は抜管するくらいまでは外しません。ただ小さい子の鎮静は鎮静を切るのが72時間程度なので、割と短時間で外します。重症仮死だけは低体温で72時間、そこから復温をかけて、できれば抜管するところまで着けたいと思っているので、重症仮死だけは4~5日着くことになります。ずっと着けっぱなしということは、今まで1回もありません。

アイ・エム・アイ 電極を貼るポジション(モンタージュ)を教えてください。

大門先生

前頭部、FP1、FP2です。大分こればかりずっとやってきていて、他の先生方からも変えてみませんかという話しも出ているので、CPの方に変えてみようかなと最近思っています。


アイ・エム・アイ お使いの電極の種類は何でしょうか。

大門先生

心電図の電極を使っています。

 

アイ・エム・アイ (余談ですが)海外ですと針電極を使うということも多いようです。実際、名古屋大学の早川先生、愛知医科大学に移られた大熊先生の話を伺うと、神経医なので使いたいけれども、新生児の先生にはどうかねと。針を刺すといってもverticalに刺すのではなく、埋め込むようになります。海外の理論では、スクラブをしないので逆に患者様の皮膚のストレスが無い、刺すのでインピーダンスも下がるとのことの様ですが。

大門先生

その刺し方なら私は抵抗無いですね。それこそ、多分我々の年代より上の先生方はあまり抵抗ないのではないでしょうか。昔は頭皮針を刺していました。頭の毛を剃っておでこからルートを入れていたので、あれをしていた先生は多分気にせずに使われるのではないかという気がします。


アイ・エム・アイ 付けるにあたって何か工夫しておられることはありますでしょうか。

大門先生

本当に一般的なことですが、ニュープレップの研磨をしっかりやります。みんなあれをやると皮膚が….というのですが、電極の張り替えを繰り返して皮膚に何度も触るぐらいなら、しっかり研磨した方がいいのではないのかなと思います。小さい子はガーゼで拭くだけで研磨はやりませんが、大きい子や成熟児の仮死の子とかは最初の貼り付けが上手くいくと後はずっと上手くいくので、研磨は結構意識してやっています。

 

アイ・エム・アイ HIE(低酸素性虚血性脳症)の患者様に御使用いただいていると思いますが、その他の患者様にはいかがでしょうか。

大門先生

寝かせる子は先ず使いますが、無呼吸発作が多発するときは結構着けます。この前もそれで一人痙攣を検出しました。

 

アイ・エム・アイ 疾患でいうと、脳症などでしょうか。

大門先生

その患者様は脳炎でした。明らかに痙攣の動きはありませんでしたが、無呼吸なので着けてみたら、完全に無呼吸と発作波が連動して出ているので、「これか!」と思いました。


アイ・エム・アイ ほとんどの先生がBurst Suppressionパターンになると予後不良になることが多いとおっしゃられるのですが、そこから予後良好に転じた症例があれば是非教えて頂きたいのですが。

大門先生

Burst Suppressionパターンになった場合でも予後が良くなる事はあるということが確かに教科書には書いていますよね。ただ、私には今までそのような症例を経験したことはありません。

電極間の距離によって波形がかなり変わりますので注意が必要ですね。ちょっと鎮静深度を見誤る症例があったので、「何故なんだろうね」と皆で話していたのですが、電極間の距離を離すとかなり戻るということを経験しました。そのため最近はしっかり距離を開けるということについて気を付けるようにしています。


アイ・エム・アイ 本来ちゃんとメジャーリングするべきなのでしょうけれど日本はあまり行いませんよね?

大門先生

みんな目分量ですね。

 

アイ・エム・アイ NICUでaEEGをモニタリングするにあたって、先生と看護師さんの連携はいかがでしょうか。

大門先生

当院の原則は、これに関して何か起これば医師が呼ばれるということになっています。例えば、体位変換する際に電極を一旦外すといったことも全部医師と一緒にやるということになっています。電極が剥がれて波形が変だったりした場合も必ず医師が呼ばれますし、電極を貼るのも医師です

 

アイ・エム・アイ 基本的に何かあったら呼んでください、ということで看護師さんがやられておられるようですね。今後は、看護師さんが電極を貼るようになるかもしれませんね。全国的には看護師さんが貼っている施設もあるようですが。

大門先生

もうちょっと看護師さんの人数が増えれば考えますが、人数の問題もあるので、現状ではさすがにそこまではお願いできないかなと思っています。もうちょっと余裕ができてくれればと思いますが。


アイ・エム・アイ ニコレーワンをお使いになられて変わったこと、メリットなど、3年程使用されたご感想はいかがでしょうか。

大門先生

分かりにくい新生児の痙攣発作がビジュアルで出るというか、客観性のあるもので出てくるので、治療が早くなったという感じを受けるのが一つ。痙攣発作に対してアクションを加えるのが、原因検索は別ですが、早くなったと思うのが一つ。鎮静深度を更に追加するのかそれともこのままいくのか、鎮静深度の評価にはすごく有用で、便利に使わせてもらっています。あとは重症仮死のモニタリングです。仮死のモニタリングは教科書に沢山出ているものなので、鎮静深度はやはり参考になります。「ああ寝かせすぎちゃった」とか、すごく参考になりますね。

アイ・エム・アイ ニコレーワンを使っていて何か難しいことはありますか。

大門先生

データの読み出しがまだちょっとよく分からないところがあります。過去のデータの読み出しをしてここの部分をこうするといったことで、ちょっとまだよく分からないことがあります。「ハードディスクのスイッチを入れずにデータを流してしまって、データが違うところにあった」、まだ(データの保存手順が十分に)浸透されていないところがあって、「あの子のデータはどこいったっけ」ということくらいです。ちゃんとハードディスクを入れればいいのですが。


アイ・エム・アイ 他の病院の新生児科の先生方、今後aEEGモニタの導入を御検討されている先生方、aEEGモニタを御使用中の先生方にメッセージをお願いします。

大門先生

迷っているなら買ったほうがいいと思います。新生児という領域ではなんでもそうなんですが、時代的には職人気質で来ているところがあります。エビデンスというよりもむしろ経験値っていうことが大事という職人気質の領域でした。ニコレーワンもそうですし、他の検査もそうですけど、いままでそういう風に培ってきた経験の部分をビジュアルとして画像として客観的に診ることができるということは大きな進歩であり、大事なことなのかなと思います。ニコレーワンだけではないですけど、今まで鎮静の深さも適当に薬の量が決まってたいたものが、それぞれのオーダーメードでやれるようになる。今までは経験だけの領域だったものが、次第にそこに客観性が見えてくるというのは面白いですし、大事なことと思います。なので、買った方がいいかなと思います。


アイ・エム・アイ 御購入までに時間を要する場合、先生に御採用いただいたように弊社の場合はレンタルがありますので早く御使用を開始いただけます。

大門先生

そうですよね。多分、使ってみないと分からないことが沢山あると思いますので(レンタルで試しに使ってみるというのもひとつの手ではありますね)。aEEGが無いと絶対駄目かというとそれも無いのですが、多分今後こういうこと自体が保険診療の中でも問われてくるのではないかと思います。脳低温の保険を取るにはaEEGを着けていなければ駄目といったふうに。そういう意味では将来的に絶対に必要なものだと思います。

 

大門先生にレンタルから始めて使用していただいてから北海道の主要な病院には結構ニコレーワンが入りました。今後はさらに多くの施設でaEEGを使っていただけるよう、私どもも努力をしてまいります。

本日は、お忙しいところ貴重なお話しをいただき誠にありがとうございました。

 

文責: 救急CC部 木下 孝太郎

2015年1月

 

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