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経皮血液ガスシステム TCM/TOSCAの使用経験

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慶応義塾大学呼吸器内科、麻酔科(ICU)では「経皮血液ガスシステム TCM/TOSCA」を導入いただいています。

今回、呼吸器内科より福永興壱先生、大塚健悟先生、 佐藤美奈子先生、

麻酔科より上田朝美先生にお集まりいただき、「経皮血液ガスシステムTCM/TOSCA」のご使用経験についてお伺いしました。

 

 

呼吸器内科で先生が特に診断されているご専門分野について、お聞かせください。

大塚先生

呼吸器全般にわたる患者さんを診ています。

急性期から慢性期の呼吸器内科の患者さんまで診ています。

 

治療対象として、神経系(ALS・筋ジス)などの患者さんはどうでしょう。

佐藤先生

神経系疾患の患者さんは併診医として診ています。

TCM/TOSCAは慢性呼吸不全の管理、 COPD、間質性肺炎の増悪時に酸素の調整等で使用します。

上田先生
現在、集中治療室(ICU)で働いており、RST(Respiratory Support Team)にも入っています。

急性呼吸不全の患者さんが中心ですが、気切され長期の人工呼吸器管理が必要な患者さんなど慢性期の人工呼吸器管理も行っています。

 

簡単に経皮血液ガスのCO2値がとれる器械について、御存じでしたでしょうか?

上田先生

当院ICUでも使用しています。我々ICUでは、気切患者さんとかEtCO2が使える状況が多いので、どうしてもこちらを使うことが多いです。TCM/TOSCAとEtCO2を両方用いて比較評価することもあります。

 

経皮血液ガスシステムTOSCAをご採用いただいた決め手は何だったでしょうか?

福永先生

私が医師になった頃は、PaCO2を評価するためには動脈血液ガスをとるしかありませんでした。

経皮モニターは患者さんに侵襲がなくCO2のモニタリングができる点に魅力を感じ、TCM/TOSCAを購入させていただきました。 実際一度レンタルさせていただいて、患者さんに使用してその有用性を感じました。

 

 

経皮血液ガスシステムTCM/TOSCAが無かった時は、どの様にされていましたか?

大塚先生
動脈血液ガスですね。

 

重症な患者さんの場合は、どれぐらいの頻度でモニタリングされていますでしょうか?

大塚先生
重症度によると思いますが、重症なアシドーシスを伴った患者さんには、4時間程度、頻回にモニタリングします。

佐藤先生

重症で頻回にモニタリングする場合、Aラインを入れますけど、例えば、呼吸器内科のHCUの場合、Aラインは範囲外なのでAラインなしでモニタリングする場合、採血は一日2回ほどが限界でしょうか。

 

ICUも同じような状況でしょうか?

上田先生
ICUでは重症な患者さんにはAラインを入れますので、酸素化をモニタリングしたい場合、一日2~4回重症度に応じてAラインから採血します。血行動態が安定している患者さんには酸素化はSpO2、CO2はEtCO2を見て、動脈血液ガスは一日1回程度測定します。実際の状況と乖離していないかモニタリングするために測定することが多いです。

小児の場合は、静脈血液ガスを取りますが、酸素化をみるメリットが少ないので、実際にはCO2しかみていないというのが実際ではないでしょうか。

 

TCM/TOSCAは、血液ガス分析との相関が良いと思われますか?

大塚先生
おおむね相関が良いと言えます。これまで1~2回程度、数値に乖離のあった経験がありましたが。

佐藤先生

メンブレン交換、キャリブレーションをきちんと行えば、5mmHgもずれないです。

過去10mmHgぐらい乖離したことがありましたが、メンブレン交換などのメンテナンスを行うことで改善しました。

上田先生
例えば、PaCO2 80mmHgというCO2が高い状態でも、ちゃんと値は表示されますか?

佐藤先生

ええ、表示されます。

肺の移植の時に、200mmHgまでのリアリティをとることができたという実績があります。

 

 

先生は経皮CO2モニターを、どの様な患者さんに使用されていますか?

大塚先生
II 型呼吸不全のHOT導入目的で入院した患者さんで、酸素量の調整が難しくナルコーシスのリスクが高い場合は経時的にモニタリングしたいので使用します。

佐藤先生

HOT導入時、O2流量を決める時に使用しています。
安静時の酸素吸入でもCO2が溜まっている患者さんは、例え低流量の酸素を流しても夜間にどの程度CO2が溜まるか分かりません。TCM/TOSCAは連日患者さんに装着して検査を行っても嫌がられることはありません。今日は1L、明日は2L、といった酸素調節を行いながら様子をみています。
異常値がある場合は、体動や接続が原因で発生しているものかを判断するために同時に測定できるSpO2や脈拍(HR)なども参考にしながら酸素調節しています。

専用の解析ソフト(Visi-Download)を使うと75パーセンタイルも分かるので、使用することをお薦めします。

また、NPPV患者さんに対してはEtCO2を装着できないのでTCM/TOSCAは有用です。ベッドサイドに置いてモニタリングできるので便利です。

 

他のご施設でも、NPPVの患者さんの場合、耳で測定できるTCM/TOSCAは使いやすいと評価を頂いています。ICUの状況はいかがでしょうか?

上田先生
ICUでは、NPPVで管理する患者さんが多いです。元々Aラインが入っていればよいのですが、動脈血液ガスを採るだけのためにAラインを留置するのはためらわれますし、小児では頻回な採血は負担になるケースもあります。また、最近ネーザルハイフローも使うケースも増えており、挿管を避けたい患者さん、COPDの患者さんでEtCO2の値が乖離するケースにおいて、有用だと思います。

EtCO2の場合、定期的なキャリブレーションが必要になることが多く、結局、動脈血液ガスを採り直す状況になります。また、EtCO2は高い値が不正確になるので、TCM/TOSCAが高い値でも正確性をもって測定できるのであれば、非常に適しているモニターだと思います。

福永先生

特に肥満がある場合は採血も難しく、経皮モニターが一番CO2のモニタリングに適しているね。

 

先生は経皮CO2モニターを、月に何回ご使用されますか?

大塚先生
数か月1度。

佐藤先生

月1~2回。NPPVの患者さんがいれば可能な限り使用しています。

福永先生

SASの睡眠検査では今は使用していません。

睡眠検査時はたくさんのモニターを装着するので耳に更にモニターを装着するのは患者さんに負担が増えてしまうのでは?

SAS検査で頭部の確保が難しい時は、耳朶のみではなく額・鎖骨下でもCO2だけ測定することができますので、トライしていただければと思います。

福永先生

耳朶での通常使用が難しい場合でも、鎖骨下でも測定できるのですか?

可能です。耳朶が不可の場合は額・頬骨・鎖骨下など状況に応じて、測定部位を変更出来ます。
その場合、SpO2は参考値になりますが、測定は行えます。また他の施設で、SAS外来に来られた肥満患者さんに対して30分間CO2測定をして、次の診療指針にされているケースもございます。

 

 

経皮CO2モニターを導入されて、良かった点は何でしょう?

大塚先生
夜間、一番悪かった値を経時的に分かるのが良いですね。

佐藤先生

血液ガスを採る手間が少ないのが良いですね。
Aラインが入っていれば別ですが、睡眠中の患者さんから夜間に血液ガスを採ることができませんでした。

しかし、経皮モニターでCO2測定できるようになり、その結果を解析し患者さんにグラフを見せながら治療内容を説明します。患者さんも数値だけで説明されるより、理解し納得していただいています。

 

ちなみに、血液ガスは採るのは難しいですか?

上田先生
血液ガスを採るのは痛みが伴いますよね。
慢性呼吸不全、肥満の患者さんは過換気になるんです。

その結果正確な値がとれないのですが、非侵襲で測定できる経皮モニターはメリットがありますね。

福永先生

夜間CO2評価のために朝一番に血液ガスを採るのですが、起きる時間帯は患者さんによって違います。

早朝のCO2評価にはメリットがあると思います。

 

TOSCAに対して、改良などのご要望はございますか?

佐藤先生

画面が眩しい、明るすぎることが気になりますね。

自動でモニターが消灯するような機能が欲しいです。

設定で画面の明るさは調節できるのですが、自動消灯機能についてはメーカーに伝えます。

上田先生
普通のモニターに、反映することはできますか?

メーカーにもよりますが、シリアルケーブルで接続することができます。ポリソムノグラフィー(PSG)との接続も可能です。今後モニターに接続される際はご相談いただければと思います。

本日はありがとうございました。

 

 

慶応義塾大学呼吸器内科/麻酔科慶應義塾大学病院について

平成6年2月に承認を得て特定機能病院として運営。

病床数 1044床

患者数  外来患者数 延べ人数 :797,263人 / 1日平均 :2,964人

(25年度) 入院患者数 延べ人数 :289,090人 / 1日平均 :792人

       救急患者数 :21,506人

統計・実績はこちらよりご覧ください

 

 

文責 ORCC/教育部 三上恭史

2014年12月

 

 

 

 

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