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総合磐城共立病院「新生児の呼吸管理における人工呼吸器AVEAの有用性」

いわき市立総合磐城共立病院は、福島県浜通り地区の中核病院であり、未熟児・新生児科は、福島県浜通りから茨城県北部で唯一の地域周産期センターとして地域周産期医療の中心を担っています。
今回は、未熟児・新生児科 主任部長 本田 義信先生に新生児呼吸管理における人工呼吸器AVEAの臨床的有用性について、お話しを伺いました。

いわき市立総合磐城共立病院 ホームページ
http://www.iwaki-kyoritsu.iwaki.fukushima.jp/

未熟児・新生児科 主任部長 本田 義信先生 御略歴

昭和63年 福島県立医科大学卒業。福島県立医科大学、小児科学講座大学院入学
平成4年 福島県立医科大学、小児科学講座大学院卒業
平成6年 いわき市立総合磐城共立病院 未熟児・新生児科 勤務
平成7年 竹田総合病院、小児科勤務
平成10年 いわき市立総合磐城共立病院 未熟児・新生児科 勤務
平成14年 同部長

 

いわき市立総合磐城共立病院の役割について御紹介ください。

本田先生:当院は、総合病院として35万都市の基幹病院になります。いわき市に総合病院は、他に3施設程ありますが、小児科の入院施設があるのは、当院1施設だけになります。産婦人科の入院施設があるのも、総合病院の中では当院1施設だけです。30万~40万都市ですと、基幹病院が1~3施設程あるのが通常です。郡山市の場合、寿泉堂綜合病院・星総合病院・太田西ノ内病院の3施設、会津市の場合、竹田綜合病院・会津中央病院の2施設ですが、いわき市は、当院1施設しかありませんので、全ての医療において、共立病院が中心になっています。1次救急から3次救急まで対応していますので、軽症から重症の患者さんまで対応しています。

本田先生の御立場・役割について御紹介ください。

本田先生: 未熟児・新生児科は、NICUの治療を担当し、小児内科とは独立して診療を行っています。東京など首都圏の場合、比較的近隣にNICUがありますが、ここいわき市では、隣のNICUまで80~100kmですので、いわき市以外の近隣から治療が必要な赤ちゃんが全て、このNICUに集まってきます。その機能を代替できる病院は近隣にありませんし、緊急の治療を要する新生児が時間をかけて遠方の施設を受診することは出来ないので、いわき市だけでなく、その周辺の地域の周産期医療においても、重要な役割を担っているNICUです。また未熟児・新生児科は、医師2名体制です。私と、もう一人の先生は1年交代で派遣されますので、この10数年、いわき地区の周産期医療を継続して預かっているのは私一人になり、重い責任が長期間続いており、個人的には大きな精神的・肉体的負担になっています。当番は交代性ですが、重症な赤ちゃんの入院があった時は、当番でなくても私も呼ばれますので、完全に病院に呼ばれない休みというものは、この10数年ほとんどありません。例えば学会で東京や名古屋、北海道にいても、夜間緊急で病院から呼び出しがあった場合は、タクシーでかけつけてもいいと病院から許可を得ています。
今は、もう一人の先生が新生児専門の先生で大学から来ていますが、4~5年前までは、一般小児科の3~5年目の先生で新生児の専門ではない先生が来ていましたので、当番でない時も、よく呼ばれていました。学会で福岡へ行き、飛行機を一歩降りてそのままとんぼ返り、などということもよくありました。 夏休みに秋田の母の実家に行った際、花火大会の途中に呼ばれるということもあり、夏休みや冬休みの最中に旅行中に呼ばれ、旅行をキャンセルして戻るということも時々ありました。今は、新生児専門の先生が来てくれているので、大分楽になりましたが、基本は変わりません。対応が困難な重症な赤ちゃんが入院すれば戻らなくてはいけません。また地域の産婦人科の先生に勉強会を開催したり、地域の助産師さんたちに母乳や育児支援の話をして、いわき市の周産期医療の底上げも心がけています。

それから、外来フォローを15年やっています。現在は高校生になっている患者さんもいます。NICUのフォローアップでは発達障害のお子さんが、たくさんいらっしゃり、学校で問題になることも多くあります。そのような場合、学校にお手紙を書いたり、場合によっては、学校の先生に来てもらったり、私が学校に行ったりしています。これからは教育関係の方と周産期医療関係者の連携が重要になってくると思います。これからの周産期医療は病院の中の治療だけではなく、地域全体と関わり、その地域の子ども達が、地域で如何に健康に過ごせるかということに関心を持つ必要があると思っています。

AVEAをお知りになったきっかけはどのような機会だったのでしょうか。

本田先生: 多分、アイ・エム・アイの営業担当の方がパンフレットを持って来た時だと思います。

その際、カタログで写真とスペック等をご覧になられたと思いますが、印象はいかがでしたか。また、購入の決め手は何だったのでしょうか。

本田先生: 購入の一番の理由は、コンプレッサー付ということでした。コンプレッサー付の人工呼吸器は他にありませんので。NICUのいろいろな診療場面で絶対必要な機能ですので、これは絶対NICUに1台なければいけないな、と思いました。プラスアルファでヘリウムが使用できるということで、将来のオプションとして必要な機能と思いましたので、それも購入の後押しになりました。

実際、コンプレッサーに関しては、どのように使用されていますか。NICUですと、配管が整備されている病院が多いと思いますが。

本田先生: 学会で発表した一つは呼吸管理しNICUに長期入院となり退院が困難な赤ちゃんを、NICUの外を呼吸器をつけながら、お散歩してもらうということに使用しました。1)
いわき共立のNICUがある3階には広いオープンテラスがあり、そこで家族と一緒に外の景色を家族と一緒に楽しんでもらうということをしています。

人工呼吸器で換気しながら移動するのですね。

本田先生: そうです。昔は、コンプレッサーをテラス側に用意して、バギングしながらそこまで行って、ということをしていましたが、バギングではPEEPもPIPも不安定ですから、呼吸状態が不安定な赤ちゃんを、人工呼吸器で安定した状態を保ち換気しながら移動できるAVEAは大変有用です。またnasal CPAPで管理している赤ちゃんは、挿管管理している赤ちゃんのようにバギングしながら移動することもできません。AVEAであればコンプレッサーが付いていますからnasal CPAPをしながら移動することができるので、その面でも有用です。コンプレッサー付きの呼吸器の有用性は、まだ周産期医療においては充分に注目されていませんが、呼吸器依存性の患者さんが多く、搬送にリスクが伴うNICUにおいては将来、必ず有用性が認識される呼吸器だと思っています。それに加えてnasal IMVのモードが搭載されており、新生児に対するnasal IMVも学会での発表は少ないですが、多くのNICUに広まる治療だと思います。それらの意味で大変、将来性の高い呼吸器だと思います。

搬送性が優れており、なお且つnasal IMVが使えるというところですね。以前先生から伺ったことですが、NICUに入られたお子様は、一度も青空を見ることなく、外の風にあたることなく、お亡くなりになるケースもあって、今回チャレンジいただいたAVEAのお子さんもそうですし、そういうメリットがあったということでしょうか。

本田先生: そうです。先ほど話した赤ちゃんは18トリソミーという合併症があって、親御様が気管挿管を希望されておらず、nasal IMVで管理していました。そのため挿管している赤ちゃんをバギングしながら動かすようには移動出来ませんでした。さらに呼吸状態が極めて不良であったため、一時的にnasal IMVを外して移動するのも極めて危険な状態でした。これらの課題をクリアーしてnasal IMVをしながら移動できるという機器はnasal IMVが出来て、尚且つコンプレッサー搭載のAVEAのみになります。2)

実際、外に連れて行ったということについて、御家族の方は、何かコメントされていましたか。

本田先生: 満足度は非常に高いものがありました。家族で一緒に青空を見ることができ、外の空気を吸えたのは、NICUで最後まで過ごす赤ちゃんとその家族には決して経験できない家族の絆が強まる貴重な時間を提供できたと思います。また、その赤ちゃんのお兄さんとお姉さんが、自分の大好きなおもちゃをテラスに持ち込み、シャボン玉をしたりして、赤ちゃんに見せてあげていました。これは同様にお子さんたちにも貴重な思い出を持ってもらう事が出来たと思いますし、両親も家族として時間を持てた、ということがよかったと仰っていました。NICUという病棟やファミリールームで家族と過ごすだけでは得られない、家族が一体になる時間だったと思います。また副次的な効果として、そのNICUで一生を終える赤ちゃんが家族と時間を過ごし家族になっていく姿に接することで、私達NICUのスタッフも成長できたことを感じることができました。

少し話が戻りますが、AVEAをカタログで御覧いただいて、その後デモをさせていただいたと思いますが、評価のポイントはいかがでしたか?

本田先生: デモの感想は、nasal IMVの管理が容易であったということが一番でした。それまでnasal IMVはフロー補正機能のある他の呼吸器で行っていましたが、nasal IMVも専用のモードではなく、通常の挿管管理の設定で施行しますから、nasal IMVは圧が不安定で高圧アラームや低圧アラームがよく鳴って、看護師さんの負担が大きくありました。AVEAでnasal IMVを行う時はnasal IMV専用の設定があり、低圧アラーム、高圧アラームが鳴ることが少なく病棟での長期使用に適していました。実際に半年以上使用した患者さんもいました。呼吸状態が不安定な赤ちゃんでnasal IMVの専用モードが搭載してある他の呼吸器と比べても、AVEAの方が圧の掛かりがよく、呼吸状態の改善が良好であるという印象を持ちました。ただ、nasal IMVは他の2相性に圧のかかるnasal DPAP専用機よりも効果はありますが3)、プロングの管理は大変だと看護師さんが言っていました。プロングのフィッティングについて、他のnasal CPAP専用機は、20年の歴史があるから、インターフェースのフィッティングはいいので、看護師さんは管理し易い。無呼吸が少し悪い子は、「nasal IMVでやったら」、と提案するのですが、すごく重症な子はnasal IMVをやりますが、看護師さんたちは、自分達が1勤務で1回位の刺激くらいだったらnasal CPAP専用機のままで管理したい、と言います。フィッティングの管理は大変みたいです。この点は、他のnasal CPAP専用機並みに洗練させたほうがいいと思います。

AVEA導入はスムーズにいきましたか。何か御苦労された点はありましたか。

本田先生: 導入時のトラブルではなく、長く使っている間のトラブルがありました。当科では、AVEAを他社の何種類もの呼吸器と併用していますが、FiO2など、つまみ・ボタンの並びが逆になっています。どちらを使用していた時かは忘れましたが、患者さんの酸素飽和度が下がったので、つまみを見ないで患者さんを見ながら、酸素濃度を上げていた、と思っていたところ、実際上げていたのは呼吸回数でした。もう一方の機器では、場所が同じなので、酸素濃度を上げているつもりなのに、後で見たら呼吸回数だったということがありました。それはメーカー間で統一して欲しいと思います。

それは、アダルトベンチレータでもよく言われることで、車のブレーキとアクセルが逆になっているようなものだから、統一して欲しいと言われます。

本田先生: そうですね。患者さんをみながら設定変更していて、あとで見てはっと気が付いた。それは、メーカー間で統一して欲しい、と思います。それから、above PEEPです。これも、メーカーによって違います。この点は気を付けているので、今まで間違ったということはありませんが、PIPについても、≪above PEEP≫などの表示、赤字で表示するとか、誤使用を避けるためにもう一つ注意喚起があったほうがいいと思います。

人工呼吸器を日本の会社が開発・製造していればお互い協議しやすいのですが。現状として、統一というのは、なかなか難しいところです。AVEA導入前は、どのように呼吸管理されていたのですか。

本田先生: nasal CPAP管理で呼吸器依存性が強く、移動が必要な赤ちゃんは、移動のためにわざわざ挿管するしかありませんでした。ですから移動はさせられない。ただ、どうしても必要な際は、マスクアンドバッグでバギングしながら移動していました。バギングだと、圧がかからなかったり、圧がかかり過ぎたりします。意外とバギングは難しいのです。研修医がバギングで一定の効果を出すのは難しいのですが、機械ですと誰がやっても同じになりnasal CPAP依存性の赤ちゃんの呼吸状態を一定に保ち移動するのに役立ちます。

CT等、検査のためにNICUから出なければいけない場合は、AVEAを使用されるのでしょうか。

本田先生: CTやMRIは、よほどのことが無い限り、人工呼吸管理中に検査をするということはありませんし、本当に具合の悪い子は挿管しますので、AVEAが無いと検査に行けないということはあまりありません。ただ、nasal CPAP管理の赤ちゃんをAVEAでnasal CPAPをしながら移動して検査に行った事は何回かありました。移動が楽で、挿管しなくていい。このお子さんはちょっと検査には連れて行けないが、でも検査したいし、検査のためにわざわざ挿管するかという選択肢はありますが、バギングしながら行くのも肺がやぶれそうでいやです。しかしAVEAだとそのままで行けますので、AVEAを使用して検査に行ったお子さんがいましたが、全く問題なく使用できました。

AVEAを導入いただいて、挿管しないで移動できるという点が患者様にとってメリット、先生方にとってもメリットがあったということですね。 以前、学会でご発表されておられましたが、無呼吸頻度がnasal IMVモードによって減ったということが患者様にとってメリットかと思いますがいかがでしょうか。

本田先生: もちろんメリットです。無呼吸は再挿管の理由になります。nasal IMVを使っている施設はありますが、発表している施設はほとんどありません。最近の発表は当院ぐらいです。nasal IMVが、もう少し広まれば再挿管の率も減りますし、ドキサプラムの使用頻度も減ると思います。ドキサプラムも以前は禁忌薬だったのが、今では禁忌薬ではなくなりましたが、それでも副作用の強い薬です。当院では、重症な無呼吸の子も、ドキサプラムを使用しないで、nasal IMVにして管理しています。その方が絶対安全だと思います。

その際、重症な患者様に対してはAVEAをお使いいただいているということですね。

本田先生: 無呼吸と。あとは、重症な一過性多呼吸も、nasal IMVで挿管回避できた症例もあるし、そのような使用も、もう少し普及してほしいと思っています。

未熟児・新生児科では、年間・現在何名の患者様が入院されていますか。

本田先生: 100~120例/年です。一番多い年で年150例でした。今現在、11~12名が入院しています。

そのうち、人工呼吸管理症例は、年間どれくらいでしょうか。また、AVEAの使用症例は、いかがでしょうか。

本田先生: 人工呼吸管理症例は、nasalも含めて、年約50症例ですが、AVEAは、年間10例位です。AVEAは、何かあった時のために残しておきます。今まで何回かあったことですが、AVEAを使いたい子がいるけれども、今AVEAを他の患者さんに使っているから使えないということが多いので、落ち着いたらなるべくAVEA以外の呼吸器に変更するようにしています。超低出生体重児を蘇生する場合は、コンプレッサー付きのAVEAで蘇生することに決めており 、当科では1台しかありませんから緊急の使用に備えて、いつでも使える状態にしておく必要があるのです。蘇生はAVEAでnasal IMVで蘇生します。これは蘇生にnasal CPAPを使うよりもしっかり間欠的に肺に圧をかけられますし容易です。挿管後はAVEAで呼吸管理し、呼吸管理しながら母の胸の上に移動し、そこでカンガルーケアを行い、 AVEAで呼吸管理しながら分娩室や手術室からNICUに移動します。当科の超低出生体重児の蘇生にはAVEAが必須ですし、AVEA以外にこの機能を代替できる呼吸器はありません。

ベッド数は、何床ですか。

本田先生: NICU6床、GCUはGCU加算をとっていないので14床、合計20床です。

新病院が建設されますが、新しくなった後はいかがでしょうか。

本田先生: 新しくなったらGCU加算をとりますので、NICU6床+GCU12床、合計18床になります。GCUは、患者さん6人につき看護師さん1人ですが、今は14人を1人の看護師さんで見ていますので、小児病棟加算でとっています。新病院になるとベッド数は減りますが、医療としては充実する予定です。NICUは、12床とれるスペースで設計してありますので、NICU病床を増やそうと思えば倍に増やせます。最初、12床のスペースのところ、6床でスタートしますが、9床まではもっていきたいと思っています。

AVEAを使用する際、何か気をつけていること。ポイントはありますか。

本田先生: 特にありません。普通に使用しています。先ほどお話ししたとおり、この子はnasal IMVやCPAPをしながら検査に連れて行こうと思った時、AVEAを他の患者さんに使っているとAVEAで連れて行けないので、何かあった時のためにいつでもAVEAを使えるようにしたい、ということです。

AVEAに希望する改善点はありますか?ここをもう少し使いやすく、こういった機能が追加されるとさらに使いやすいなど。

本田先生: プロングのフィッティングです。機能については、HFOが追加されるといいと思います。

挿管でのAVEAの使用経験はいかがでしょうか。

本田先生: もちろんあります。最初、nasal CPAP、だめだったらnasal IMV、更にだめだったら挿管になりますので、1台でこれらができるというのがAVEAのいいところです。

AVEAには、TCPLなど昔から使用されているモードや、プレッシャコントロールベンチレーションの場合、フローサイクル・ターミネーションが設定できファイティングを減らすのに役立っているかと思いますが、そういった点の使用感はいかがでしょうか。

本田先生: 役立っていますし、問題なく使用しています。

他の施設でAVEA導入を御検討されている先生方、他の施設でAVEAを実際に使用されている先生方にアドバイスなどがあればお願いします。

本田先生: nasal IMVは、無呼吸、TTNB(Transient Tachypnea of the Newborn)などのケースで、これからどんどんもっと沢山の施設で使用頻度が増えていくと思います。それから、以前でしたら、検査に連れて行くのを諦めるような症例に使用することができます。バギングで移動すると、アンビューだとPEEPが抜けますし、ジャクソンリースだと圧が不安定になりますので、挿管している患者さんの移動もできるだけ安定して移動させるにはAVEAがいいと思います。バギングでちょっと移動とすると、状態が不安定になり、それで具合が悪くなるということがありますので、AVEAを使用して、安定した一定の圧をかけながら移動させることができるのがいいですね。

インファントフローの場合ですと流量制御で患者様に送気しますが、AVEAは圧でコントロールします。流量制御ではなく圧で制御してしまうと、ガスを送りすぎてお腹が張れてしまったりしませんか、と先生方からご質問頂くことがあります。その点いかがでしょうか。

本田先生: よく聞きますね。でも、当科では経験ありません。当科ではインファントフロー自体もかなり早く導入しました。インファントフローを導入した時も、他の施設では、お腹が張るとか、胆汁が引けるとか、聞きましたが、当科ではほとんどありませんでした。

nasal IMV圧の設定はどのようにされていますか?

本田先生: 私が決めますが、結構高めで設定します。PIPは20cmH2O位です。あとはプロングより先にどれだけ圧がかかっているのかがわからないというのがあります。ですから、いつも高めに設定しています。2015年の日本周産期・新生児医学会でnasal IMVをしながらNOを使用するという発表をしました。その時に人形を使って、NOがどれだけ到達しているかというシミュレーションをしました。nasal IMVをやりながらリーク率を測れるのはAVEAだけですので役に立ちました。

nasal IMVをお使いになる患者様は主に重症の患者様が多いということですが、勿論患者様によってケースは違うのでしょうけれど、初期設定はある程度決めていらっしゃいますか。

本田先生: nasal IMVですと、設定どおり肺に圧が掛かっているか分からないので、PEEPは6~8cmH2Oと、少し高めで開放します。PIPは、一番高い時で24cmH2Oまで上げたことがあります。具合の悪い子はPIPを上げると良くなります。設定どおりに上がっていると思います。リークがひどい肺でリークが強ければ、圧を上げてもあまり変わらない筈ですが、具合が悪い子は、圧を上げていくと良くなります。ダイヤルに反応した設定どおりの圧かどうかは分かりませんが、ちゃんと胸郭が挿管管理と同じように吸気に同調して上がっています。挿管しているのと同じ感じです。

AVEAは状態の悪い患者様にも低侵襲で御使用いただけるということで、他の先生方にもお薦めできるポイントかと思います。

本田先生: 本当にいい呼吸器だと思います。自信を持って。

本日は、お忙しいところ貴重なお話しをいただき、誠にありがとうございました。

 

引用文献

1)「コンプレッサー付き呼吸器AVEAベンチレーターの有用性の検討(会議録/症例報告)」
本田 義信, 羽田 謙太郎 いわき市立総合磐城共立病院 未熟児・新生児科 日本周産期・新生児医学会雑誌 (1348-964X)50巻2号 Page790(2014.06)
2)「人工呼吸関連機器ユーザーレポート 人工呼吸器アヴェアによるnasal IMVの使用経験と、未熟児無呼吸発作に対する有用性について(解説)」
本田 義信 いわき市立総合磐城共立病院 未熟児・新生児科 人工呼吸 (0910-9927)30巻1号 Page96-97(2013.05)

3)「呼吸困難症例におけるNasal IMVの経鼻的二相性陽圧換気(BiPhasic nasal DPAP)に対する有効性の検討」
本田義信, 羽田謙太郎 いわき市立総合磐城共立病院 未熟児・新生児科 日本未熟児新生児学会雑誌 26(3): 644-644, 2014

 

参考文献

4)「nasal IMV時の鼻装着部位の方法による有効性と問題点の比較検討」
本田義信 いわき市立総合磐城共立病院 未熟児・新生児科 日本周産期・新生児医学会雑誌43(2): 502-502, 2007

5)「バブルCPAPのジェネレータを用いたnasal IMVにより呼吸症状が改善した1例」
本田義信 いわき市立総合磐城共立病院 未熟児・新生児科 日本周産期・新生児医学会雑誌43(2): 502-502, 2007

6)「小児NPPVの手引き~私はこうしている~新生児科の立場からーnasal IMVと在宅nasal CPAP療法を中心にー」
本田義信 メディカルレビュー社 2012,pp65-71

7)「nasal IMVからNO投与が肺高血圧の改善に有用であった延性新生児肺高血圧症の1例」
本田義信 いわき市立総合磐城共立病院 未熟児・新生児科 日本周産期・新生児医学会雑誌 第51巻 2号, 2015

 

 

聞き手・文責 レスピラトリ・ケア部 村上 慎悟

(2015年10月)

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