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名古屋市立大学病院集中治療部 瞳孔記録計「NPi-200」

瞳孔記録計「NPi-200」ユーザーレポート

今回のユーザーレポートは、集中治療室で瞳孔記録計をご使用いただいている、名古屋市立大学病院集中治療部の祖父江和哉部長、瞳孔記録計の担当をされている上村友二先生、普段瞳孔記録計を使用して瞳孔観察をされている看護師の岩田美奈子さんにお話を伺いしました。名古屋市立大学病院の集中治療部では、2014年の2月にNPi‐100を5台導入いただき、昨年12月NPi‐200に更新していただきました

名古屋市立大学病院 全景
名古屋市立大学病院概要
(病院ホームページより抜粋)
病床数: 808床
(一般病床772床、精神病棟36床)
患者数:
(2014年)
年間外来患者数 435,466人
  1日平均外来患者数 1,785人
  年間入院患者数 247,253人
  1日平均入院患者数 677人

名古屋市立大学病院沿革(病院ホームページより抜粋)
1931年(昭和6年)7月13日 名古屋市民病院として診療を開始(9診療科、病床数230床)
1943年(昭和18年)4月1日 名古屋市立女子高等医学専門学校附属医院に改称
1948年(昭和23年)4月1日 名古屋女子医科大学附属医院に改称
1950年(昭和25年)4月1日 名古屋市立大学病院に改称
1964年(昭和39年)11月7日 新病院に移転 総合病院認可 許可病床数624床、15診療科で診療開始
1969年(昭和44年)7月15日 集中治療部設置
1993年(平成5年)4月1日 救急部設置
1995年(平成7年)7月1日 特定機能病院承認
2007年(平成19年)3月31日 災害拠点病院指定
2011年(平成23年)4月1日 救命救急センター指定
2015年(平成27年)4月1日 救急部廃止、救急科設置

祖父江和哉部長 ご略歴 名古屋市立大学病院集中治療部 祖父江和哉部長
平成5年3月 名古屋市立大学医学部 卒業
平成5年4月 名古屋市立大学病院 臨床研修医(麻酔・蘇生学)
平成6年6月 名古屋市立大学医学部 助手(麻酔・蘇生学)
平成11年3月 名古屋市立大学大学院医学研究科 単位取得退学
平成11年4月 名古屋市立大学医学部 助手(麻酔・蘇生学)
平成11年4月 マクギル大学(カナダ)レディデービス医学研究所 
博士研究員
平成13年4月 岡崎市民病院 麻酔科
平成14年7月 名古屋市立大学大学院医学研究科
助手(危機管理医学分野)
平成16年7月 名古屋市立大学大学院医学研究科 
講師(危機管理医学分野)
平成19年8月 名古屋市立大学大学院医学研究科 准教授(麻酔・危機管理医学分野)
平成19年9月 名古屋市立大学大学院医学研究科 教授(麻酔・危機管理医学分野)
名古屋市立大学病院 麻酔科部長兼任 集中治療部長兼任
平成21年1月 名古屋市立大学病院 救急部部長兼任
平成22年8月 名古屋市立大学大学院医学研究科 地域救急医学講座 教授(兼任)
平成23年4月 名古屋市立大学病院 救命救急センター長兼任(平成25年3月31日まで)
名古屋市立大学病院 病院長補佐(平成25年3月31日まで)
平成27年4月 名古屋市立大学大学院医学研究科長補佐

上村友二先生 ご略歴 上村友二先生
平成18年3月 関西医科大学医学部 卒業
平成18年4月 名古屋掖済会病院 初期研修
平成20年4月 名古屋掖済会病院 小児科
平成22年4月 国立成育医療研究センター 手術集中治療部 
レジデント
平成23年4月 国立成育医療研究センター 手術集中治療部 
フェロー
平成25年4月 名古屋市立大学病院 麻酔科/集中治療部 
臨床研究医
平成28年2月 名古屋市立大学病院 麻酔科/集中治療部 病院助教

岩田美奈子看護師 ご略歴 岩田美奈子看護師
平成17年3月 愛知医科大学看護学部卒業
平成17年4月 名古屋市立大学病院 ICU/CCUに看護師として配属
   
   
   
   

- 名古屋市立大学病院についてご紹介ください。

祖父江部長:名古屋市立大学病院は808床で、高度急性期医療を提供しています。救命救急センターも設置されています。また一方で、名古屋市の病院ですので、名古屋市民に医療を提供するという使命があります。

- 麻酔科と集中治療部についてご紹介ください。

祖父江部長:我々麻酔科は広い領域をカバーしています。我々は麻酔科医ですので、麻酔は一番大事な業務ですが、それに加えて集中治療、ペインクリニックを担当しています。現在救急には関与していませんが、救急部設立当時は、今は救急科となっていますが、麻酔科が担当していたこともあります。ということで、急性期および痛み領域を担っています。緩和ケアにもひとり医員を出しています。
もうひとつの特徴は、小児集中治療室(PICU)を併設していることです。集中治療部に入室してくる患者さんの30%強が小児です。多くは心臓血管外科の患者さんです。当院の小児科は大学病院として難しい疾患のお子さんを抱えていますので、そういったお子さんが重症化したときに、その多くを引き受けています。先天性心疾患やてんかんといった基礎疾患を持った患者さんが肺炎などの感染を起こしたといった場合も受け入れています。

岩田さん:ベッドはICUとPICUで10床、CCUは4床です。看護師はICU、PICU、CCU合わせて54名で、3交代勤務です。

- 名古屋市立大学病院は小児領域で有名な病院です

祖父江部長:そうですね。小児科が一生懸命NICUを運営していますし、外科系も泌尿器科、耳鼻科、整形外科など小児の症例が多いです。我々も麻酔や集中治療で子どもさんと接する機会が多くあります。

- 祖父江先生は麻酔科と集中治療部の部長をされているということですね。

祖父江部長:そうです。私は、麻酔科と集中治療部の部長です。

上村先生:私は、麻酔科所属ですが、元々は小児科医です。そこから小児集中治療を勉強して今の職場にお世話になっています。専門は小児集中治療や小児救急です。今は小児麻酔も勉強しています。

岩田さん:私は、集中治療部の看護師で、小児チームです。主に小児患者さんの看護をしています。昼間は看護師ひとりで患者さんひとり、夜間・休日は看護師ひとりで患者さんふたりを担当しています。小児チームと成人チームというチーム分けがあるので、ある程度決まった患者さんを看護しています

- 瞳孔記録計をお知りになったきっかけはなんでしょうか?

瞳孔記録計「NPi-100」イメージ

祖父江部長:学会で見たのとIMIさんから紹介いただいたのが同時期だったと思います。IMIの担当者が実物を持って来られて、そう言えば学会で見たよっていう話になって。瞳孔の観察はかなり観察者間の差があると感じていましたので、これ(瞳孔記録計)で正確性や再現性が高まって誰でも同じように測定できるのであれば、こんないい物はないんじゃないか、しかも付加価値として他のパラメーターも測定できれば、研究にも使えるのではないかという話をしたと思います。

- ポジティブな印象をお持ちになったということですね

祖父江部長:ポジティブですよ。大きさはアメリカンサイズだなとか、若干の改善点はあるなとは思いましたが、それ以外は非常に好印象でした。

- 実際にご購入いただく前にはデモをさせていただいたと思いますが、実際に使われての印象はいかがでしたでしょうか?

祖父江部長:医療従事者は新しい物を取り入れようというと抵抗を示す場合が多い気がしていますが(笑)、今回は看護師さんたちにも、すんなりと受け入れられました。看護師さんたちも今まで自分たちがやってきた瞳孔観察に不安を持っていたと思います。

- 5台導入いただきましたが、最初から5台というのは何か理由があったのでしょうか?

祖父江部長:明らかに良い製品でしたし、皆に使ってもらいたいと思ったので。10床で10台というのはちょっと予算面で厳しいかなと。3台あればいいかなって言ったら、看護師さんたちが2ベッドに1台ないと困りますと要求されて。2ベッドに1台ということで5台になりました。

瞳孔記録計「NPi-200」

- 実際に2ベッドに1台運用されている病院はこちらだけです。

祖父江部長:そうですか?集中治療室ではこの患者さんは器械で測って、この患者さんはペンライトでっていうわけにもいきません。医療の質という点でも問題があると思います。

- 実際に導入いただくことになって、上村先生が担当になられたということですか。

上村先生:祖父江先生から瞳孔記録計の担当ということで指名を受けました。
データの収集や管理という業務と、どのように運用するのか、瞳孔所見を取る頻度をどうするか、といったことを看護師サイドと調整しています。

- 導入はスムーズでしたか

上村先生:導入に関しては、師長さんをはじめ看護師さんの協力があって、皆さんスムーズに使ってくれました。

岩田さん:何回か勉強会もしていただいたので。あとは使用したスタッフから教えてもらったりして、慣れていきました。慣れるまではうまく測定できないということもありましたけど。ペンライトは各自で持っていたり各ベッドにあったのですが、NPi本体は共有しているので取りに行くときの動線が少し違うなという戸惑いはありました。

- NPi-100を導入いただいてどのような変化がありましたか。

上村友二先生

祖父江部長:NPiっていう指標がありますが、先日も意識レベルが今一つ改善しない患者さんがいたときに、看護師さんにNPiどうなの?って聞いたら、こうですってぱっと答えが返ってきました。NPiは問題ありません、異常ないですって。

上村先生:ペンライトでの所見というのはかなりアバウトなものだと思っています。
NPiは、数字で客観的に値が出てくるっていうところがすごいと思いました。人によって所見が変わらないっていうところが大きいのかなぁと感じましたし、今でもそう思っています。

岩田美奈子看護師

岩田さん:瞳孔計で測ると、私たちが3(mm)かな3.5(mm)かなというのを主観で判断したり、左右差とかも右診てから左診てというところでちょっとあいまいだったのが、数値が出るのでわかりやすかったり、対光反射が緩慢な時など(反射が)あるのかな、ないのかなといった時も数値で縮瞳の具合などが出ると報告しやすいです。

上村先生:当ICUでは子どもさんが3割から5割ぐらいで、多いときには大半が子どもということもあります。
子どもの場合、抵抗したり、術後だと浮腫んでいたりして眼が開けられないなど、測定できないことがあります。それは元々ペンライトでも測れないのでNPiだけではないと思いますが。

岩田さん:私は小児チームなのでなおさらですが、小さい顔のお子さんで浮腫んでいたりすると当て方がちょっと難しいと思ったりすることがあります。

- 瞳孔観察については先生から指示をされるのですか。

上村先生:我々自身でも入室患者は診察します。それとは別に、看護師さんは、特段指示を出さなくてもルーチンにバイタルを取るときに瞳孔所見も診てくれます。

岩田さん:基本的には全症例で診ています。鎮静している患者さんばかりなので、私は小児チームですが、基本的に小児では全症例使っています。2時間おきにバイタルチェックをするときにペンライトで瞳孔観察をしていたのですが、今はNPiを用いて瞳孔観察をしています。ペンライトは一応ポケットには入っていますけど、最近はNPiを使っています。

上村先生:中枢神経の異常だったり心停止蘇生後の患者さんだったりということになると、医師がNPiを何時間ごとに確認してほしいとか、1時間ごとに診てほしいという指示を出すことはあります。

- 測定したデータはどのように記録されていますか。

岩田さん:瞳孔径とNPiの値を記録しています。それと対光反射の有無をNPiの値でチェックして記録します。

上村先生:部門システムへ記載するスペースも限られているので。

- 申し送りされる時もNPiの値でされたりしていますか。

岩田さん:全員ではないですが、変動があったり異常があったりという時にはその値を申し送りします。客観的なデータなのでわかりやすいと思います。

- 所見によって患者さんの治療を考えられると思いますが、NPiになって違いというのはありますか。

上村先生:実際にNPiがあったから頭蓋内の病変がわかって、アクションが劇的に改善したわけではありませんが、数値が出るので看護師はすごく医師をコールをしやすいのではないかと感じます。以前は対光反射が弱いなとか、左右差が少しあるなという程度の報告でしたが、NPiは数値がしっかりと出るので、先生ちょっと値が低いですとか左右差がありますといったように、看護師から医師へ情報を伝えやすくなったと感じます。

- 昨年末にNPi‐200に更新していただきましたが、導入はスムーズでしたか。

瞳孔記録計「NPi-200」

祖父江部長:特に問題もなくスムーズにいったと思います。既に評価が高かったわけですから、特段苦情も出なかったのでしょう。

岩田さん:スムーズだったと思います。

上村先生:今まではNPiの値と最大瞳孔径を電子カルテに入力してもらっていました。それ以外のデータも重要な所見です。潜時が脳幹機能と相関があるという発表もありましたし、そういうところを捨ててしまうのはもったいない。専用のパソコンでデータを取り込むシステム(流れ)を作ろうとしています。これは医師だけではできないので看護師さんのひとりにも担当になってもらって、事務の方にもお願いして、データを蓄積してそのデータを振り返ることができるようにしようと考えています。
看護師さんからもNPiを使って看護研究をしたいという話が最近あって、どういう研究をしようかという話もしているところです。

祖父江部長:パソコン買いましたよ。データを落とすためのパソコンを買ってほしいと上村先生から言われて、昨日注文しました(笑)。看護師さんたちも研究したいからとも言われましたから。

- 他の施設の先生方や看護師さん方に一言あればお願いします。

祖父江部長:数値化できることは、大きなメリットです。小児でも使用可能だと思います。集中治療室である程度鎮静されている小児であれば非常に良いと思います。小児では瞳孔の大きさが小さい時にペンライトだと見えないですけど、NPiでは測定できます。
臨床では数字が共有できることは一番のメリットですね。数字化されることで、看護師さんとのディスカッションの材料に使えると思っています。我々の集中治療部では、医師と看護師の共通言語になっています。

上村先生:数値が客観的に出るので、その数値を以て医師だけでなくメディカルスタッフとのコミュニケーションもスムーズになると思います。

岩田さん:やはり数値として出るので、報告の基準とし使用できるので、そういうところは使いやすいと思います。

上村先生:私は小児が専門なので、小児においてNPiが有用かどうかということを調べています。2.7秒間の静止時間が保てればよいのですが、小児は測定のために静止できない。そこが小児にはネックかなと。小児科に来る子どもでは、眼の中にピカッと光が入って2.7秒動くなっていうのはなかなか難しいです。私の研究では、ある程度鎮静されている小児であればほぼ測定は可能ですし、対光反射が人間の目では見えないような症例でもきちんと測定できます。

祖父江部長:看護師さんたちのNPiへの依存度はかなり高いと思いますよ。「一度使ったら止められないよ」っていう声も聞きます。これだけ短期間で定着したのはすごいことだと思います。

- 貴重なお話を伺うことができました。
 今日はお忙しい中、またお疲れのところありがとうございました。

上村先生とアイ・エム・アイ担当江刺家

上村先生とアイ・エム・アイ担当江刺家

文責 救急・EMSチーム 佐藤

(2016年5月)

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