『 脳卒中の再発防止には指標が必要 ~大館市立総合病院 脳神経外科部長 佐々木正弘先生 』
聞き手(IMI)
大館市立総合病院についてご紹介いただけますでしょうか。
佐々木先生
大館市立総合病院は、秋田県の県北に位置し、医療圏 は約12 万人を想定している約500床の総合病院です。
標榜科は22 科あります。当院では、脳卒中急性期の患者さんのほとんどを受け入れ、治療に当たっております。その患者さんも高齢であり、他の疾患を合併していることが多いです。
聞き手
秋田県は脳卒中が県民病と言われているようですが、非常に多いと感じますでしょうか?
佐々木先生
確かに県民病と言われています。超高齢化社会をむかえている本県は高齢者が多いので、患者さんの総数は増え続けています。死亡原因としても多くなっていま す。それが秋田県の現状です。当院では、脳梗塞が6割ほどで、脳出血が3割、クモ膜下出血が1割と全国平均と同じような割合になっています。
聞き手
高齢者人口が増えていくと、益々大変になりますね。
佐々木先生
秋田県の高齢者人口比率を見ると、4 分の1が75 歳以上だったと思います。
聞き手
先生が大館市立病院に来られるまでを教えて頂けますでしょうか。
佐々木先生
大館市立病院に来る前に、秋田県立脳血管研究センターの脳外科で、主に脳卒中の分野を診ていました。脳外科と脳卒中診療部をかけもちしながら、クモ膜下出 血を除く脳卒中は脳卒中診療部で内科のドクターと一緒にチーム医療に取り組んでいました。クモ膜下出血と脳腫瘍は、脳外科として手術などを担当していまし た。大館市立病院には2005年8月に来ましたから、丸3年たちます。
聞き手
大館市立病院に来られて大きく変わった点などございますか?
佐々木先生
脳卒中急性期を中心に、患者さんを診ることにしました。それにより、年間で50人位の患者さんが増えました。この地区で脳卒中急性期を数多く専門的に診察 しているのは私だと思いますし、脳外科医ではありますが、脳卒中全般を診ています。それがこの地区の患者さんにとって、利益になると考えています。脳外科 という枠に縛られず、脳卒中で手術に回らない患者さんも診るようにしています。
聞き手
これまでの研究分野について、前の病院から引き続いて行っているということになるのでしょうか?
佐々木先生
そ うですね。(秋田)脳研で調べていたことは、動脈瘤の放射線学的特徴、内頸動脈と狭窄の治療の違い、低侵襲手術による凝固・線溶系の変化、動脈瘤手術に関 する血管内手術と開頭手術の違い、若年発生クモ膜下手術の特徴など臨床研究などでした。その研究の1つに凝固・線溶系が入っていました。以前から興味も あったため、今回発表した内容をまとめてみました。
聞き手
2008年3月の日本脳卒中学会で全血血小板凝集能測定装置を用いた外来抗血小板治療患者の特徴を発表されましたが、この発表と「脳卒中ガイドライン2004」についてのご感想をお聞かせ頂きたいのですが。
佐々木先生
全体的に色々な文献をまとめた、標準化医療のために作られたガイドラインであると思います。ただし、ガイドラインは2004年までの臨床研究の論文発表を もとにできたため、現在の治療とは変化している部分もあります。しかし、脳卒中診療を十分に知らない医師が治療するためには、良いガイドラインだと思いま す。薬の選択も一般的に行われているものを整理して、推奨文として書かれていると思っています。ガイドラインを参照しながら、自分の考えを取り入れていけ るものだと思います。






