トップページ  / ユーザーの声 / PDEレンタル採用施設 神奈川県立こども医療センター

PDEレンタル採用施設 神奈川県立こども医療センター

 

神奈川県立こども医療センター様においては、現在、ICG蛍光法の実施のためにPDEをレンタルにてご活用いただいております。

その使用方法、レンタル導入の理由、ICG蛍光法の今後応用について、神奈川県立こども医療センター 外科 北河 徳彦先生にお話しを お伺いしました。

 

1.肝芽腫の肺転移について

「弊社にて取り扱っておりますPDEを肝芽腫の治療に活用されていると伺っております。まず初めに、「肝芽腫」という病気について教えてください。」

「こどもの肝臓に発生する悪性腫瘍(がん)のうち,最も頻度の高いものが「肝芽腫」です。発症年齢は低く新生児期から2 歳までが70%以上とされ、頻度は全国規模の登録でも年間30~40 例程度とされています。 」

「どのような治療が主でしょうか?」

「主に抗がん剤による化学療法と手術療法になります。」

 

「治療上で成人と異なる点はどのようなものでしょうか?」

「小児がんは、成人と異なり、肺転移がおこった症例でも、『取れば治る』ことを良く経験します。たくさんの肺転移がある場合でも、私は積極的に一つ一つ、切除しています。 」

 

「たくさんの病巣を取ると肺が小さくなって呼吸困難になることはないのでしょうか?」

「私の手術では、病巣(通常5mmとか1cm位)を含めてわずかな部分しか肺を取りません。直径5mmの病巣であれば周囲の肺組織を含めて全体で直径2cm程度です。そのため、呼吸機能への影響は少ないです。いわゆる「肺葉切除」は原則的にしません。

以前に両肺の40個の病巣を切除したお子さんがいましたが、肺活量は正常と比べて70%あり、普通の生活ができています。」

 

「手術する上で、先生のこだわりを教えてください。」

「私が重要視しているのは如何に小さな転移巣を見つけるか?ということです。最近ではPDEを用いて肉眼や触診では見つけられない微小な転移巣を検出し、腫瘍を取り尽くすことで再発を防ぎ、手術回数を少なくさせることを意識して行っています。」

 

2.ICG蛍光法について

「肺に転移した肝芽腫を検出する為に、どのようにPDEを使用されているのでしょうか?」

「手術前日にICGを静注します。術中に腫瘍をPDEで観察すると、強い蛍光を観察することができます。」

 

「なぜ肝芽腫が光るのでしょうか?」

「ICGは静注されると肝臓に取り込まれます。これは肝芽腫の組織でも同じです。ICGは赤外線で励起されると蛍光を発しますので、肝組織はもちろん、転移した肝芽腫の組織も光ります。肺転移の手術の際に用いると、正常な肺の組織は全く蛍光を発しませんので、転移の部分だけが強く光ることになります。わざと1日前に投与するのは、術中投与では全身を回るICGも光るため、バックグラウンドが上がってしまい、きれいなコントラストが得られないからです。通常、肝組織はICGを取り込ますが、正常な肝組織ではすぐに代謝されて胆汁に排泄されます。しかし肝芽腫のような腫瘍組織では代謝が遅れ、組織内に残るため、1日たっても光り続けるのです。これを利用しています。」

 

「どれぐらいの大きさの腫瘍まで見つかりますでしょうか?」

「肉眼では識別できない、0.062mmという小さな転移巣まで検出できました。取り残しを抑えることにより、再発のリスクを大幅に抑えることができると期待しています。」

 

 

3.IMIのレンタルシステムの運用方法

「アイ・エム・アイで行っているレンタルシステムをご採用いただいておりますが、レンタルのきっかけはどのようなものであったのでしょうか?」

「もともと当院の新生児科で、新生児の乳び腹水、胸水の診断にPDEを試しており、その際にレンタルシステムを活用していました。新生児科先生の紹介で、外科でも採用することにしました。」

 

「IMIのレンタルシステムは有用な点はどのような所でしょうか?」

「小児の肝芽腫は年間の症例件数はあまり多くはありません。特に肺に転移している症例はごく僅かです。このような症例のためだけに機器を購入するのは難しいと思います。
しかし、機器を使用することができなければ、患者に万全な環境で手術を行うことができません。現在は手術の日程に合わせて、『1日レンタル』という方法で、PDEのレンタルを活用しています。使いたい時に、使いたい期間だけ、最新の医療機器が使用できることで、万全な環境にて手術を行うことができています。」

 

4.今後のICG蛍光法について

「今後のICG蛍光法ついてどのようにお考えでしょうか?」

「様々な用途で応用できるかと思います。肝芽腫に関しては、肝切除・肝移植時の切離線の決定や小病巣の発見に既に用いています。また消化管の血流評価や胆道閉鎖症、前述した乳び胸腹水の診断等、様々な目的で使用することができると思っております。」

 

 

 

「お忙しいところ、貴重なご意見を誠にありがとうございました。」

 

 

2013年9月25日~9月28日、香港にて開催されました第45回 国際小児腫瘍学会(2013 SIOP)にてICG蛍光法を用いた肝芽腫についてのご発表がベストポスター賞を受賞されました。心よりお祝い申し上げます。

 

 


 

 

1965年 三重県伊勢市生まれ
1990年 北海道大学医学部卒業

市立札幌病院救急医療部レジデント修了後、北海道大学第1外科・小児外科および関連病院(国立札幌病院北海道がんセンター、帯広協会病院、苫小牧市立病院、北海道社会保険中央病院、石狩病院、沢泉病院、厚岸町立病院他)勤務を経て、 2002年より神奈川県立こども医療センター外科勤務。

 

 

資格・専門医など
日本小児外科学会認定 小児外科専門医・指導医
日本外科学会認定 外科専門医
日本小児外科学会評議員
がん治療認定医
小児がん認定外科医
日本移植学会 移植認定医
日本静脈経腸栄養学会認定医
神奈川小児腫瘍研究会幹事
医学博士(EBウイルスの発癌遺伝子の研究

2013年11月 OR/CC部 三根

print もどす  

関連一覧

Copyright © 2017 アイエムアイ(株). 医療従事者向け情報マガジン イント http://imimed.jp