掲載:2017年8月 / 文責:クリティカル・ケア部
日時 : | 2017年6月24日(土)14:30~15:20(50分) |
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会場 : | 東京医科大学病院6階臨床講堂 |
演者 : | 鈴木 孝浩先生 日本大学医学部 麻酔科学系麻酔科学講座 主任教授 |
座長 : | 川前 金幸先生 山形大学医学部 麻酔科学講座 主任教授 |
抄録 : | ※pdfが開きます(68KB) |
内野博之会長(東京医科大学 麻酔科学分野 主任教授)の下、第28回日本臨床モニター学会総会が行われました。学会のテーマは「モニタリングを究める」でした。
1日目に「筋弛緩モニターを究める」というテーマの教育講演において弊社取扱いのTOF-cuff筋弛緩モニタを取り上げていただきましたので、その概要を報告させていただきます。演題名は「新しい筋弛緩モニタリング TOF-cuffTMの有用性は?」です。
はじめに座長の川前金幸先生から、演者の鈴木孝浩先生のご紹介と、川前先生がTOF-cuff筋弛緩モニタをベルリンで行われた2015年の欧州麻酔科学会で初めてご覧になられたときのお話がありました。
▲ 座長の川前金幸先生
▲ 演者の鈴木孝浩先生
鈴木先生の講演についてですが、動画、グラフ、アニメーションを織り交ぜ非常にわかりやすく一般的な筋弛緩モニタリングについてのお話しや、TOF-cuff筋弛緩モニタについてのお話をされました。
筋弛緩薬を投与してから回復していくまでの、それぞれの過程での筋弛緩モニタリングの重要さを示されました。
呼吸筋と拇指内転筋の筋弛緩状態の時間差、挿管時における筋弛緩状態と嗄声との関係、 筋弛緩薬の作用時間の推定に時間を用いるとどうなるか、さらには筋弛緩薬の追加投与のタイミングについても様々な例を用いて説明されました。
また、筋弛緩状態の評価で使用されるワードについて、日本語で深部筋弛緩にあたる部分が、DeepとIntenseに分かれていること。これら二つは筋弛緩の異なるフェーズであるということ。及びどのような違いがあるのかについても説明されました。
筋弛緩測定装置のゴールドスタンダードとされているMechanomyographyも含め、加速度感知型や圧電気感知型の原理と測定における問題点や、研究に用いるときの留意点について例を挙げて説明されました。
TOF-cuff筋弛緩モニタの特徴とともに、その使用法や使用した印象をお話しされ、さらにトラブルシューティングにいたるまで、鈴木先生が自撮りした動画も用いながら説明されました。 また、加速度感知型筋弛緩モニタであるTOFウォッチと、カフ圧で測定しているTOF-cuff筋弛緩モニタを、高齢者の手術の各筋弛緩状態で比較を行った結果が示されました。
TOF-cuff筋弛緩モニタは、世界的にも発売されたばかりの新しいモニタです。鈴木先生の講演の中でもお話されていた通り、現時点ではTOF-cuffを用いた研究データや使用経験は少なく、TOF-cuffが研究で用いられる装置として有効かどうかの結論は出ていません。しかし、簡単に機器装着ができることや、これまで困難だった手術体位での継続的なモニタリングを可能にする等、臨床モニタとして大きなアドバンテージがあることが示されたのではないかと思いました。
最後に今回教育講演座長をお勤めいただいた川前先生、ご講演いただいた鈴木先生にこの場をお借りして御礼申し上げます。
また、今回の共催セミナーのDVDを御用意しております。 御関心のある方は御遠慮なく弊社にお申し付けください(無料です)。
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DVD・ハンドブック等 無償提供のご案内文責: クリティカル・ケア部
(2017年8月)