掲載:2018年7月 / 文責:顧客サービス推進部
今年も雷の季節がやってきました。
気象庁の発表によると、落雷害の報告件数※は全国的に7~8月に集中していることが解ります。
雷による被害のうち、特に増加傾向にあるのが、通信線などで接続されたコンピューターをはじめとした電子機器への被害です。
皆様の施設では、雷対策は万全ですか? 落雷害に関しての意識を高め、身の回りの備えにお役立て頂ければ幸いです。
※クリックすると気象庁のwebサイトへリンクします。
雷による電子機器への被害の仕組みを簡単にいうと、落雷による電気的な異常、つまり落雷による過電圧、過電流の発生によるものですが、一口に落雷といっても、主に次の3つパターンがあります。
みなさん「電磁誘導」という言葉を覚えていますか? フレミング左手の法則・・・懐かしい気がしますね。簡単に表現すると、磁石を動かした(磁力を変動させた)ときに、近くに置いたコイルなどの導体に電圧が生じ、電流(誘導電流)が流れる現象です。
雷も同じです。子供のころ理科室で行った電磁誘導の実験が、自然現象として、非常に大きな規模で発生しているというわけです。
落雷の瞬間、高電流が流れます。するとその付近に強い電磁界が発生し、電磁誘導現象によって近くの電線、通信線に高い電圧が発生します。これによってもたらされたサージ電流が電線、電話線などを介して、数km先の電子機器にまで流れ込み、接続しているルーターやパソコン、電話機、電気製品を電気的に破壊してしまうのです。
雷を伴う豪雨のある日、我々は雷の影響を確認するため、UPSに接続していない通常電源の電源電圧調査を開始しました。調査に用いたのは、HIOKI社製メモリハイコーダ。電圧降下や上昇、ノイズも記録できるスグレモノです。
調査を開始して間もなく、雷鳴と共にオフィスの蛍光灯が一瞬暗くなり、PCを接続しているUPSの警報が鳴りました。早速メモリハイコーダには電圧異常が記録され、すぐさま解析したところ、何と瞬間的に80Vまで電圧が降下していました。
雷といえば過電圧、過電流ですが、電圧降下も発生するのですね。
このとき記録された電圧波形がコチラ↓
簡単で確実な予防は、パソコンなどの電気製品をコンセントから抜いて、雷が遠ざかるまで待つことです。誘導雷は電力線、電話線などを経由して、接続されている電気製品を破壊してしまいますから、コンセントを抜いてしまえば、コンセントから伝わってくる高圧電流で壊れる心配はほとんどないといっても良いでしょう。
医療機器などの場合、バッテリを内蔵している機器であれば、同じようにコンセントから抜いてバッテリで動作させたり、外部のバッテリ(UPS)に接続するなどが有効です。
また、停電などに備えて、人工呼吸器などの生命維持装置は、施設の非常電源から供給される赤色、緑色のコンセントに接続して使用するよう院内スタッフの教育を行ったり、バッテリ搭載機器はバッテリによる動作確認、施設の非常電源の点検などを、日常から行っておくことが重要ですね。
プラスワンポイント
更にこの季節、電源電圧の低下にもご注意ください。例年、気温の上昇と共に、電源異常(電源電圧低下)の報告が増加します。
エアコンの使用増加などにより、電力が集中消費され、施設内あるいは近隣地域全体での電力使用量が増加し、コンセントの電圧が低下することが予想されますのでご注意ください。
当社では、バッテリを搭載した医療機器、医用無停電電源装置、医療用電源タップなど、安全対策のお役にたてる商品を取り扱っております。お気軽にお問い合わせください。
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