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カプノメータ「マシモEMMA」
医療法人財団はるたか会 子ども在宅クリニック あおぞら診療所墨田

医療法人財団はるたか会あおぞら診療所墨田前田浩利先生 カプノメータ「マシモEMMA」ユーザーレポート

医療法人財団はるたか会 子ども在宅クリニック あおぞら診療所墨田は、在宅医療、特に小児の在宅医療に特化した医療機関です。
今回ははるたか会理事長である前田浩利先生に、訪問診療時にご活用いただいているカプノメータ「マシモEMMA」についてお話を伺いました。在宅診療だけでなく入院中の患者さんの呼吸器管理にも参考にしていただけると思います。

◆ 沿革 ◆
1999年4月 あおぞら診療所 開設
2004年11月 あおぞら診療所新松戸 開設
2009年8月 訪問看護ステーション あおぞら 開設
2011年4月 子ども在宅クリニック あおぞら診療所墨田
2012年6月 訪問看護ステーション そら 開設
2013年5月 訪問看護ステーション あおぞら京都 開設
2016年10月 あおぞら診療所 ほっこり仙台 開設
病院ホームページ : http://harutaka-aozora.jp/?page_id=1083

◆ 前田 浩利先生 御略歴 ◆
1989年 東京医科歯科大学医学部卒業 医療法人財団はるたか会あおぞら診療所墨田前田浩利先生
1989年5月~ 東京医科歯科大学小児科臨床研修医
1990年5月~ 武蔵野赤十字病院臨床研修医
1991年11月~ 東京医科歯科大学小児科
1994年4月~ 土浦協同病院小児科医員
1999年6月~ あおぞら診療所開設
2004年11月~ あおぞら診療所新松戸院長
2011年4月~ 子ども在宅クリニック あおぞら診療所墨田院長
現在 医療法人はるたか会理事長

- 医療法人はるたか会あおぞら診療所についてご紹介ください。

医療法人財団はるたか会あおぞら診療所墨田外観

前田先生:あおぞら診療所は1999年に私を含めて同じ大学の同期生3人で開設した在宅に特化した診療所です。「10年一緒にやって、その後はそれぞれ分かれてやろう」ということにしていたので、12年経った時に法人を分けました。

私が継続した「はるたか会」は、当初千葉県松戸市の「あおぞら診療所新松戸」と、この東京都の「子ども在宅クリニックあおぞら診療所隅田」の2つのクリニックでした。現在は仙台にも「あおぞら診療所ほっこり仙台」という小児専門の在宅クリニックができていて、診療所としては3ヶ所になります。訪問看護ステーションは京都も含めて3ヶ所、障害福祉のソーシャルワーク系の事業所が松戸市内に2ヶ所の計8事業所で運営している法人です。

医療法人財団はるたか会あおぞら診療所墨田前田浩利先生インタビュー風景

「はるたか会」は、小児及び小児期発症の慢性疾患で在宅医療を必要とする患者さん約500人、高齢者及びがん末期の成人患者さん約250人の合わせて約750人の患者さんに在宅医療を提供している医療法人です。

日本で初めて小児の在宅医療に特化したクリニックを東京都内に設立したということになるかと思います。これまでの小児の経験症例数が600人となっていて、恐らく日本で一番小児在宅医療を経験している医療機関ということになると思います。

600人の中で、半数の約300人が人工呼吸器装着患者さんで、半数が気管切開をしている患者さんです。人工呼吸器や気管切開の在宅医療における症例経験も、恐らく国内最大であると思っています。

- ひとりの患者さんを月何回訪問されるのでしょうか?

前田先生:保険診療で在宅の管理料が月2回の定期往診と定められていますが、医学的観点からも月に2回というのは妥当な訪問回数だと思います。患者さんの症状が落ち着いていれば、概ね月2回を定期往診として訪問をしています。

- 何名位の先生方がいらっしゃいますか?

前田先生:常勤医師が10名で、非常勤医師が13名です。

- 23名で約750人の患者さんを毎月2回づつ訪問されているということですね。

前田先生:臨時がかなりの頻度で発生しますので、1人平均すると月3回から4回近くになるかと思います。例えば、亡くなる前ですと、毎日あるいは1日に2回訪問します。患者さんの症状によって変わります。

- 訪問される時は先生と看護師さんで訪問されるのですか?

前田先生:看護師は往診には付かないので、独自で訪問看護を行なったり、あるいは診療のサポートとして医師とは別に動きます。看護師が訪問看護として訪問する場合もありますし、完全に往診サポートとして訪問する場合もありますが、医師の往診に同行するというよりは、看護師は独自に動いて家族支援をしたり、往診では十分にできない栄養支援であったり、医師が設定した呼吸器の設定を確認したり、その家族の受け止めの支援のために訪問しています。

- 回数としては、先生、看護師さんを合わせるとと、月3~4回・・・

前田先生:・・・どころではないですね。全ての訪問やコンタクトを含めるとかなりの数になると思います。

- 在宅診療においてEtCO2のモニタリングを行う意義をお聞かせください。

前田先生:EtCO2を測ることによって、呼吸器管理の精度が格段に上がります。EMMAを入れる前はSpO2だけでした。在宅で血液ガスを採るのは大変で、どうしても必要のある患者さんに、機械の予約をして血液ガスを採るということにしないといけません。我々は機械を持っていないので、その時だけリースするということになります。また、子供たちだと採血も結構難しいので、大人のようには採れませんし、それなりに我々にも構えが必要になります。EMMAを導入してからEtCO2を日常的に見ることができるようになって、異常の発見はダントツで早くなりましたし、管理の精度が飛躍的に向上したと思います。 実際に、(人工呼吸器を付けていて)呼吸器関連のトラブルで入院に至るケースも有ります。今、250人位(人工呼吸器装着患者さん)を管理しています。250人の人工呼吸器(装着患者さん)を地域で管理するのは大変なことだとは思いますが、呼吸器関連での入院は月に1人とか2人とか、ほとんどないという状況です。特に、肺炎とか、重症の気道感染はほとんどないです。

- やはり普段から訪問をされて、きちんと管理されているからですね。

前田先生:そうですね、当診療所のHow toがある程度確立しているということだと思います。

- EMMAをご採用いただいてからEtCO2をモニタリングするようになったということでしょうか。

前田先生:そうです。もちろんその前からも、それなりにはやっていました。EMMAを入れてから更に精度が上がって、やはり異常の発見も早くなって、大幅に体調を崩す前に手を打てるようになったというのは間違いないです。

- 肺炎といった兆候も早く発見できるということがありますか?

超小型カプノメータ[マシモEMMA]製品画像

前田先生:やはり、SpO2しかないと解らないので、EtCO2を見ることによって、具合が悪くなる前に早目に色々な情報をキャッチすることができます。SpO2だけては情報が不十分で、EtCO2を見ることによって人工呼吸器の設定条件の調整も更にきめ細かくすることができますし、病院並みの精度で呼吸管理をできる様になっていると思います。 SpO2はほぼ全ての患者さんに据え置き型のモニタが付いているので、日常的にチェックできる状態にはなっています。医師が診た時にEMMAでEtCO2もチェックして、それを含めて医師が判断して人工呼吸器の設定条件などを調整して手を打っていきます。これはお世辞じゃなくて、大分前もって、大分(症状が)崩れる前に手が打てるようになっていると思います。

- EtCO2を診られる前は、重症化するまで解らないということもありましたか?

前田先生:解らない、ということはありました。二酸化炭素測れたらな…と思っていました。今では、EtCO2の測定が日々の診療で無くなってしまうと非常に困ってしまいますね。だから故障とかすると医師から凄いクレームが来ます!1人1台がもう普通のことになっていますね。

- EMMAをお知りになられた経緯を教えてください。

前田先生:成育医療センターから情報が入ってきました。当診療所常勤医の近藤先生が成育医療センターの麻酔科の科長だったのですが、近藤先生は器械好きで新しい器械の情報を仕入れてこられるのですが、「こういうのが有るぞ!」と言って、これ(EMMA)を持ってこられました。1人1台ということで直ぐ購入を決めました。

- 最初に「こういうのが有るぞ」とEMMAの情報を得られた時、試されたりしましたか?

前田先生:もちろん。近藤先生が物(EMMA)を持ってこられましたから。軽いし、使い良いし、結果もすぐに出るし。すぐにこれにしようと決めました。約3年位前ですね。もうEMMAが無い時代には戻れないですね。

- 最初にEMMAを見られたとき、どのように感じられましたか?

前田先生:感じたことは、「ちっちゃいなぁ」、「軽いなぁ」ということですね。それまでにもEtCO2モニタは持っていました。でも大きいじゃないですか!ですから、各チーム1台持って行くことはできなくて。値段からしても(何台も)購入できませんし、重いので。必要な時に持って行って、使っていましたが、具合が悪い時に測るという形でした。

- 事前に具合が悪いと解っている場合にということでしょうか?

前田先生:「今日はどのチームが持って行く?」ということになって、1台しかないので重なった時に「どうする?」と。持って行くのも凄く大変という程ではないですけど、それなりに大変でした。しかし、今は本当に小さくて、これを見たときに全員に持たせられると思いました。それが一番大きいですね。

- 1人1台先生方が往診に持って行かれているのですね。

前田先生:そうですね。非常勤の先生も含めて、診療に出掛ける時には、EMMAを持って行きます。感覚的には聴診器と同じ水準で使っていますね。基本的に気管切開の患者さんや人工呼吸器の患者さんを診療しない日はないので、毎日使っています。

- 実際にご使用いただいていて問題点(ご要望)などございますか?

超小型カプノメータ[マシモEMMA]製品画像

前田先生:このエアウェイアダプタが呼気や加湿で濡れると正確な値が出ないということと、値段が高いので、コストを抑えながら使っていくためには運用に工夫が必要だと思いました。小規模の診療所であれば、患者さんの所にその患者さん専用に置いておくという様なことで工夫して乗り切れるかもしれませんが、我々の様に大規模で、しかも敢えて主治医制はとっていないので、徐々には決まってはきますがどの医師がどの患者さんを診るのかは決まっていませんし、臨時が入った場合には誰が診るかわからないので、色々工夫して試しているところです。臨時は、今日は少なくて4~5件ですが、多い日には1日に7~8件とか、10件とか入ってくるので、誰が誰を診に行くのか全く解りません。
例えば、今日は8チーム動いています。それぞれのチームで訪問予定の患者さんが6人とか7人とか入っていて、そこに臨時が入ってくるという形です。具合が悪いといった電話がかかってくると、更に臨時が入ってくるというような状態です。松戸でも今日だと4チームか5チーム動いているので、全部で12チームとか13チームとか、多い時には15チームとか16チーム往診のチームが動きます。

- 例えば、松戸で対応できないほどの緊急が入った時には、こちら(墨田)から誰かが行かれるということもありますか?

前田先生:松戸で予定がいっぱいで医師が足りないというような時にはこちらから行ったりすることはしますが、逆はあまりないです。緊急でということはあまりないですね。緊急の場合はそこ(松戸)で対応します。

- 元々応援要請が有って、ということですね。

前田先生:そうですね。小児科医と内科医が居るのですが、内科の先生でも子供を診ます。トレーニングで来ている先生もいらっしゃるので、そのような先生は小児科も診ます。内科の先生の中には、子供はメインではないという先生もいらっしゃいますし、小児科の先生で子供がメインで大人は、という先生もいらっしゃいます。大人も子供も診るという先生と、うまく使い分けて予定を組んでいるという状況です。
そもそもこの施設を作った動機として、子供の在宅医療を行う人材を育てるということが大きな目的にあるので、主治医制にせずにチーム制にしています。例えば、非常勤の先生が急に入ったとしてもすぐに診療ができる環境を整えたり、情報共有を電子カルテや、企業と共同で開発した地域連携の仕組みを使っていますが、多職種間の情報共有をして、初めて来た医師でも十分な情報量を持って訪問診療に行けるというような形でやっています。実際にそれでうまくいっていて、ほとんどトラブルなく回っています。

- 今後EMMAやEtCO2測定モニタに望まれる機能などはありますか?

前田先生:EMMAに関して言えば加湿が通った呼気を上手く測ってもらいたいなというのは1つあります。
それ以外にも、BIPAPの患者さんが凄く増えています、そういう患者さんも、CO2を測りたい。なんとか測定していますが、こういった患者さんでもEMMAで上手く測れたらいいなと思います。今は、タオルで口を覆って鼻にEMMAをくっつけて測ったりしています。年々非挿管患者さんは増えているので、うまく測れるようになればと良いと思います。やはり、CO2は見たいので。

- 現状そういった患者さんですと鼻口のマスクを当ててという使い方になってしまいますが、お子さんの場合ですとなかなか難しいでしょうか。

前田先生:デバイスも含めて、今はどうするのが良いのか解らないので、どうしても測りたいときは、子供だと泣いてしまいますけれど、抑えて測っています。多少不正確ではあると思いますが、それでも値は測ることができるので、飛んでいるとか飛んでいないとかの参考にはできます。

- 本体に記録が保存できたら良いとかはありますか?

医療法人財団はるたか会あおぞら診療所墨田前田浩利先生インタビュー風景

前田先生:記録が保存できたら凄く良いと思います!先程お話しした、地域連携ツールの次の段階では、情報を電子カルテに繋げたいと思い検討しているのですけれど、その時に、例えばSpO2モニタから電子カルテに(データが)飛んで、自動的に記録されるとか。EMMAでも可能であれば電子カルテに連動して、測ったら自動的に(データが)飛ぶという風になると更に良いかなとは思いますね。

- 手入力は手間もかかりますが、間違いの発生の要因にもなります。

前田先生:EMMAもどこかのボタンを押したらブルートゥースなどで(データが)飛ぶと良いと思いますし、それこそ人工呼吸器でも次の新しい機種の時には設定条件や履歴データが電子カルテに飛んでくれるとか!今は、先生がいちいちデータに落としています。データがEMMAも人工呼吸器も飛んできたらいいですね。そうすれば、(何かあったときでも)お母さんに「設定どうなっていますか?」とか電話でいちいち聞かなくてもよくなりますよね。
ちょっとした未来に、パスワードとFeliCaかなにかでセキュリティをかけてという形で遠隔操作できる様になると、すごく楽になります。

- 在宅診療をされている医療関係者の方、人工呼吸管理をされている医療関係者の方にメッセージがあればお願いします。

前田先生:EMMAは良いですよという話はできると思います。

2つ有って、1つはEMMAにも代表される様に、エコーなども小さくなっていますし、我々が使用しているICTもそうですが、技術が凄く進んでいるので、それによって在宅医療も日進月歩でテクノロジーが進んでいて、その精度やできることがもの凄く広がっています。昔ながらの在宅医療で医師が患者さんのお宅を訪問する、私はどちらかと言うとそちらの方が好きですけれど、それだけじゃなくて、様々な高度医療機器を在宅で管理できたりとか、広域でできたりします。その先生が知っていることは受け持ちの患者さんの管理に反映されるけれど、そのことを知らない先生が受け持っている患者さんでは、管理に差ができてしまいます。チーム医療の良いところは、多くの患者さんを診ていても、あおぞら診療所が持っている技術とか知識が共有されて、ほとんど全ての患者さんに適応できているところです。それはICTによって可能になっているので、在宅医療もICTの技術も含めて、テクノロジーの進歩でかなり精度が上がって、病院医療に遜色のない所まで来ていますよということをまず伝えたいです。

2つ目は、それによって医療自体の枠組みと言うかパラダイムというか、考え方が変化しつつあって、単純に病院と在宅が対立するものであったり、「在宅に来るとこれとこれを諦めざるを得ない」という対立概念では無くなって、ますます相互補完的なものになりつつある。ということで、在宅医療の進歩は病院医療も変えるというか、病院医療もよりムリ・ムダが無くなり、より地域に開かれたものに変化させていくということがあるかと思います。今後はそういう時代になるということですね、お伝えしたいことは。

- 貴重なお話を伺うことができました。本日はお忙しい中ありがとうございました。

以上

文責 救急・CC部 佐藤 純一

(2017年7月)

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