パラグアイからのお便り
昨年12月初旬、JICA青年海外協力隊員の一員として、パラグライでご活躍される看護師の井口さんから、弊社宛にアンブ蘇生バッグSPUR Ⅱ、レスキューマスクについてご購入のお問合わせをいただきました。
井口さんが新潟出身であったことから、弊社、仙台顧客サービスセンタがお問合わせの対応をすることになりました。
仙台顧客サービスセンタでは、3・11の震災時について全世界から東北地方に支援をいただいたことから、デンマーク・Ambu社に事情を説明し、協力の要請を依頼したところ快く承諾いただいたため、無償提供を行いました。
今回、井口さんとの数度のメール交換を通じ、活動状況からパラグアイの医療事情を伺うことができ、お便りの公開の許可をいただきましたのでご紹介させていただきます。
井口さんは、パラグアイのブラジル国境近くにあるアルト・パラナ県サンタリタ市にある病院に勤務されておられ、現地の看護師隊員と話し合い、平等かつ有効的に医療を提供すること、救命率の向上につながる講習会の実施などに取り組まれておられます。
井口さんと弊社の連絡頻度が1ヶ月に1、2回しかなかったのですが、それはパラグアイでは通信、郵便事情が非常に悪かったこともあるようです。
井口さんはサンタリタ市からJICA事務所のある首都アスンシオン(約330キロメートル)まで郵便物を取りにいっておられるとのことです。郵便事情の悪さは、正確な住所がなく配送できないことが起因しています。
7月28日の井口さんのお便りによりますとパラグアイは真冬で、朝晩の冷え込みが強く、家に暖房もないので服の重ね着で凌いでいる状況だそうです。昨年は気力が衰える場面もあったようですが、それを乗り越え、お忙しく活動を続けておられます。
パラグアイの医療状況について
パラグアイでは、全ての国民が高品質かつ平等な保健医療サービスを受けられる社会を目指し、社会福祉厚生省主導のもと保健医療政策の改革を行っています。しかし、パラグアイ南部では、農村人口の割合が高くかつ人口が散在しており、医療改革の遅れが顕著となっています。
より良い保健医療サービスを全国レベルで展開するために、パラグアイ側実施機関である国立看護・助産継続教育センター(以下「INEPEO」)は、南部4県で得られた成果を他の2県に普及・展開を試みていますが、パラグアイのみでそれらを実施するには限界があるため、日本に技術協力プロジェクトが要請されました。
※JAICA HPより抜粋 http://www.jica.go.jp/paraguay/activities/project/02.html
昨年末にパラグアイへアンビュー、レスキューマスクをアイ・エム・アイ仙台顧客サービスセンタから提供していただき、御社からの温かいお心使いに大変感謝をしております。御社から寄贈していただいたアンビュー及びレスキューマスクは、現在パラグアイのボランティアが活動している病院や看護学校に配置させていただきました。最近では、ボランティアがパラグアイ人の看護師等に対して救急法の普及活動をしており、医療従事者を対象とした講習会等にも活用させていただいています。
去る6月9日、私の任地でも救急法の講習会を開催いたしました。
約1か月間一人でそれに向けての準備をし、なんとか当日を迎え、午前と午後で、合計80名の医療従事者が参加し、大変有意義な講習会を開催することが出来ました。
当日は、消防署員が御社から寄贈して頂いたアンビューとレスキューマスクを用いて参加者に正しい使用方法等について講義する場面も見られました。
看護学生も多数参加しており、初めてアンビューやレスキューマスクを見る者も多かったようです。また、消防署長からも「高齢女性に寄贈いただいたアンビューを使って、彼女は助かったよ」との声も頂きました。
御社からのご寄付が、パラグアイで命を救っています。また、講習会を通して、医療従事者の知識・技術の向上にも役立っています。隊員としてのここでの任期はあと半年となりましたが、活動任期終了まで、任地の人々と共に、地域住民に貢献できるような活動を引き続き続けていきたいと思っています。本当にありがとうございました。
【8月20日に届きました井口さんからのお便りより】