トップページ  / 海外レポート / ルンド大学病院訪問&国際脳機能新生児モニタリングフォーラム参加  

ルンド大学病院訪問&国際脳機能新生児モニタリングフォーラム参加

 

去る2011年2月8日にスウェーデン南部に位置するルンド大学を訪問しました。こちらの病院は新生児脳波モニタリングの
草分け的なサテライト病院です。世界のaEEGトレンドに関する情報の最先端を走っていると言っても過言ではありません。
更に2月10日~12日の3日間「The 6th International Conference on Brain Monitoring & Neuroprotection in the Newborn」に参加し、現状の脳機能モニタリングに関して最新情報を入手しましたのでご報告いたします。

使用機種はニコレーワンモニタですべて管理しています。ネットワークによるシステムを構築し、VANインターフェースを介して他の病院との情報共有も行っています。実際に医局での監視システムを拝見させていただきました。

 

監視システムはリーダーを搭載して他の患者のデータベースをすべて管理しています。カメラは使用していません。

画像は容量を取るため、波形で判断。電極装着は先生か技師が行っています。針電極の使用はほとんどしていません。

電極装着部位はF3-P3/F4-P4に徹底していて他のモンタージュを全く使用していません。

 

日本では発作を逃す可能性があるとしてもFp1-Fp2に装着することがあるがロゼン教授いわくその方法は避けた方が無難との回答がありました。実際に30~40%近くの発作を逃すとされており、ヨーロッパでは推奨されていません。

常にaEEGトレンドを同期しておこっています。 発作は側頭葉に多く出現する意味でF3-F4のようなできるだけ側頭葉に装着を行うことを第一前提としています。

一方、日本ではaEEGはまだまだ啓蒙時期にあり、できるだけ脳波をNICUで取るという慣習を広めるために、おでこの

Fp1-Fp2でも張らないよりはましとしている傾向がありますが、神経専門医はできるだけ頭より後ろでモニタリングすることが望ましいとしています。

 

次世代トレンドの開拓

更にIBIの指標を重んじているとのことです。IBIとはイントラ・バースト・インターバルの事でニコレーワンに純正に装備しているトレンドです。
バーストとは脳波モニタリングにおける患者の振幅にバーストと呼ばれる律動的な幅のある塊が所見として出現します。

その間隔はバーストサプレッションとして繰り返されます。バースト・サプレッションは平坦脳波率を指標としたもので、その経時的な変化を1分などのあるセグメントでカウントして患者の脳活動を統計学的に検出する方法です。

ロゼン教授いわくaEEGはすでに発作を判断する上である程度確立されており、今後、欧米ではIBIの指標がどれだけ臨床に反映するかが重要としています。クリニカルトライアルも行っており、文献発表を前向きに考察しているとのことです。
この研究はアイルランド・コーク大学新生小児神経科ボイラン先生と共同研究しており、スパイク自動検出&IBIのプロジェクトをCFと行っています。最終ゴールはIBIがaEEGのようにスタンダード化し、IBIとaEEGを同期してモニタリングを臨床レベルで実現することであると強く主張していました。

 

 

ICUの見学

実際に心臓外科術を終えた患者に対してニコレーワンを用いてaEEGのモニタリングを行っていました。ICU領域においてもaEEGがメインで使用されており、エンべロップトレンドの使用はしていないとのことでした。有用性はミドゾラム等のメディケーションの処置時に脳活動同行の変化の指標になるということです。長期モニタリングによりSWC(スリープアワイクサークリング)の動向がよくわかるとの説明もありました。この指標はレム・ノンレム催眠の周期の背景脳波を指標に置いたものである。患者の昏睡状態が安定しないとSWCは一般に表れにくいので患者の眠りのパターンをよく観察できるとして背景脳波の位置づけとして欧米ではスタンダード化しております。

次回のレポートでは具体的なルンド大学病院におけるaEEGモニタリングプロトコルをご報告したいと考えております。

 

企業展示とワークショップ&レクチャーセミナーが行われました。初期はaEEGの最新情報入手の学会として知られていましたが、近年、脳低体温療法の重要性もあり、メインテーマはこの2本柱になっております。

参加者は200名弱で会場は低体温療法とaEEGのセミナー会場での開催でした。

aEEGに関しては1チャネルのモニタリングでは不十分とする見解が多く、最低2チャネルの必要性を訴えるレクチャーが多い内容でした。1チャンネルでは同左右ポジション間での相関性を診る事が出来ず、左右差を見出すことができないという理由です。発作は広域に及ぶこともあり、発作検出率が下がってしまうことが懸念されることも理由に挙げられます。またアイルランドのボイラン先生の発表ではIBIの他にスパイク自動検出に期待を重んじていくとのレクチャーがありました。

参加者は以前より、小児神経医が増しており、やはり脳波は神経領域であることを提唱付けている印象を受けました。

 

1チャンネルから始まった脳機能モニタリングでありますが、やはりここにきて限界を謳う医師が増えている現状を説明しておりました。ウェスタス先生も1チャネルのプレゼンが多かったが今回の発表はニコレーワンの表示を出して多チャンネルでの説明を行っていました。
つまり長期にモニタリングするに際にaEEGは非常に有用とするものの最終的にはコンベンショナルEEGをことでしか最終判断ができないともあり、そうなると1チャンネルでは判断を誤るということを改めて見直す必要があるという結語を述べる先生方が例年になく多かった気がします。

ケアフュージョン(ニコレーワン製造販売元)はこのフォーラムを通してワークショップを開催して、より臨床的に有益なトレンドを紹介していました。主に、「エンベロップ」、「バンドパワー」、「aEEG」、「IBI」などが挙げられます。

 

今後のキーとなる海外先生陣
Ingmar Rosen – Lund University Hospital, Sweden.
Lena Westas – Uppsala University Hospital –
Sverre Wikstrom – Uppsala University Hospital –
Sampsa Vanhatalo - University of Helsinki 
Linda de Vries – Wilhelmina Children's Hospital, Netherlands
Geraldine Boylan – Cork University Hospital, Neonatal Neurophysiology.

 

(脳機能モニタ「ニコレーワン」担当:木下)

print もどす  

関連一覧

Copyright © 2017 アイエムアイ(株). 医療従事者向け情報マガジン イント http://imimed.jp