掲載:2013年6月 / 文責:レスピラトリ・ケア部 ベンチレータチーム
Advancing technologies 「食道内圧計測機能」
AVEAコンプリ2の最も先進的な取り組みは、日本国内初の「食道内圧計測機能」を搭載した点にあります。
「食道内圧計測機能」は、従来の人工呼吸器の気道内圧の測定に加え、あらたに食道内の圧力を測定します。胸腔内圧とほぼ等しい食道内圧をモニタリングすることで、多面的に肺の状況を把握し、より安全で適切な呼吸管理を行おうというものです。
気道内圧と食道内圧を同時に測定することで、肺内外圧差を測定することが可能となり、適切なPEEPや、肺の過膨張を防止する安全な気道内圧を設定する上で大変有効な指標となります。
肺内外圧差 = 気道内圧 - 胸腔内圧 |
AVEAコンプリ2による肺内外圧差の測定では、食道内にバルーン付きチューブを留置させ、吸気終末時と、呼気終末時のそれぞれの肺内外圧差を測定します。
吸気終末時の肺内外圧差と、呼気終末時の肺内外圧差は、肺内外圧差プラトー(Ptp Plat)、肺内外圧差PEEP(Ptp PEEP)と呼ばれ、AVEAでは以下の様にモニタ表示されます。
肺内外圧差プラトー(Ptp Plat)
吸気ホールドの最後に表示される気道内圧プラトー圧(Pplat AW)と対応する食道内圧(Pes)の差
肺内外圧差PEEP(Ptp PEEP)
呼気ホールドの最後に表示されるPEEPとそれに対応する食道内圧(Pes)の差
「ICU入室患者のほぼ30%において、腹水や腸浮腫、腸閉塞などによる高い腹腔内圧が認められる。
→ 胸郭エラスタンスが高い ⇒ 腹圧よって発生する高い胸腔内圧に打ち勝つ高い気道内圧の設定が必要であり、腹腔内圧と胸郭エラスタンスの評価することが重要である」
AVEAコンプリ2の「食道内圧計測機能」は、食道内にバルーン付きチューブを留置するだけで、胸腔内圧を間接的に把握し、肺が受けるストレスや肺の拡張度合いを確認できます。このことは欧米の先進的な病院では広く利用されており、日本でも臨床の現場で、確認することができるようになりました。
弊社では、「食道内圧計測機能」による今後の人工呼吸管理の変化・進歩をサポートさせていただければと考えております。そこで「食道内圧計測」に関する皆様のご理解を深めていただくため、京王プラザホテルで開催される第35回日本呼吸療法医学会学術総会にて、特別講演(2013年7月20日 土曜日) を共催させていただくことになりました。
この特別講演では、デューク大学のNeil R. MacIntyre先生をお招きし、座長の東京女子医科大学麻酔学教室 准教授 小谷 透先生の下、「Esophageal Pressure Monitoring -人工呼吸における食道内圧モニタリングの有用性-」をテーマにご講演いただきます。
本学会にご参加の際には、是非この特別講演をご聴講いただき、食道内圧計測機能付き新生AVEAコンプリ2を展示しております弊社展示ブースにお立ち寄りいただければ幸いです。
デューク大学 MacIntyre先生 について Duke Department of Medicine Professor of Medicine Chief, Clinical Services Training |