掲載:2014年2月 / 文責:レスピラトリ・ケア部 レスピラトリ―チーム
今回は、これまでのベンチレータには無い画期的な機能である「オートテスト」についてご紹介させていただきます。
人工呼吸器 MONNAL T50「モニタの機能」でご紹介しました換気条件設定が終了しましたら、スタンバイモード画面の「オートテスト」を実行します。
「オートテスト」を実行するとニューマチックシステム全体の動作チェックと下記の項目の測定・キャリブレーションを行います。
呼吸回路コンプライアンスの測定
フローセンサのキャリブレーション
酸素セルのキャリブレーション
テスト時間は、シングルかダブル呼吸回路、加湿器用チャンバやウォータートラップの有無、酸素セル接続の有無、呼気フローセンサの有無によって異なり、1分~3分30秒掛ります。
初めに使用する呼吸回路セットをMONNAL T50に接続し、患者側の端(ダブル呼吸回路はYピース)を呼吸回路に付属しているキャップで完全に閉塞してください。
「確定」アイコンにタッチして「オートテスト」を実行してください。
注)「オートテスト」実行時はエアコンや扇風機などの風が呼気フローセンサ付近に直接当たらないことを確認してください。(「呼気フロー測定不能!」のアラームが発生する場合があります。)
「テスト成功」と表示されれば「オートテスト」は終了です。
また、画面内にニューマチックシステム内の問題点が表示されます。
下記画面例では“呼気フローセンサが検出されません”“FiO2センサが検出されません”と表示されていますので、それぞれの部品の接続状況を確認し、異常が有れば交換してください。
通常問題がない場合、以下のような表示となります。
「終了」アイコンにタッチしてください。以上で「オートテスト」は完了します。
おもしろ「オートテスト」
「オートテスト」はMONNAL T50本体の吸気口から機器内部を通って患者の口元までを構成するニューマチックシステム全体をテスト・校正します。
その結果、システム構成部品の良否判定を自動で行い、部品の異常や部品交換(呼吸回路のリークを含む)の要否を使用者に逸早く知らせてくれるため、より安全に使用開始することができます。
また、MONNAL T50は呼吸回路全体のコンプライアンスを自動測定し、コンプライアンスによって失われる換気量を自動的に補正する機能を内蔵しているため、呼吸回路の構成部品に拘らず常に設定した換気量を忠実に患者に送ることができる賢い人工呼吸器です。
チャンバやウォータートラップが付いた回路や風呂場などで蛇管を長くした回路を使用する場合に有効です。