掲載:2018年8月 / 文責:クリティカル・ケア部 救急チーム
日時 : | 2018年6月30日(土)12:10~13:10 |
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会場 : | 第6会場 タワーホール船堀 2F「瑞雲」 |
演者 : |
ダイワイ・オルソン先生 DaiWai Olson, R.N., Ph.D. 米国テキサス大学南西医療センター 准教授 University of Texas Southwestern Medical Center |
座長 : |
横堀 將司先生 日本医科大学付属病院 高度救命救急センター |
2018年6月30日~7月1日に開催されました第14回日本クリティカルケア看護学会学術集会(集会長 日本医科大学付属病院 佐藤 憲明先生)において、共催セミナー「脳神経評価の技術的進歩:瞳孔計」を開催させていただきましたのでご報告致します。
演者のOlson先生は、脳神経領域の研究に長く関わり、特に瞳孔反応と脳の関連について多数の論文※を執筆され、また、Nature誌の編集委員を務められています。
※クリックすると、論文の一覧へリンクします。
演者のOlson先生
座長の横堀先生
講演では、現在病院にて20台の瞳孔計を保有しICUベッド1台ずつに瞳孔計を使用していることをまずご紹介されました。
内容は主に解剖学的側面、歴史的側面、技術的側面の3側面に分かれており、第二脳神経(視神経)は視覚と対光反射に係わり、その障害は視覚の喪失、対光反射消失の原因となること及び第三脳神経(動眼神経)損傷の患者さんでは、眼球が外下方向に偏位すること、上昇したICPによる二次的な動眼神経の圧迫由来の瞳孔散大を瞳孔計によってタイムリーに捕捉できることを解剖学的な側面として取り上げられました。
ろうそくによる観察から始まり、瞳孔の大きさによっては瞳孔の変化が非常にとらえにくいという事例、収縮速度が同一であっても他のパラメータの影響によりNPi (神経学的瞳孔指数)の数値は異なり、NPiの数値により正常・異常が判断しうることを歴史的側面として取り上げられました。
NPi-200本体、スマートガードの特徴及び使用方法を技術的な側面として取り上げられました。
最後に瞳孔アセスメントにおいて従来手法では、あまりにも多くのばらつきがあることから瞳孔計による客観的評価の重要性について訴えられました。
円滑に進行して頂くとともに、会場から質問を引き出して下さった座長の横堀先生に心より感謝申し上げます。
なお、本講演のDVDは現在作成中です。配布可能となりしだい、改めてご紹介させて頂きます。